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Webセミナー〈人事の基礎〉 〜 制度/報酬 〜


■STEP 3 ○○給、○○手当の意味

○基本給とは

給与の構成は、大雑把にいうと基本部分=基本給と諸手当に分かれます。基本給とは、前回も述べましたように、会社が社員に期待する基軸の対価です。
(1) 年齢や勤続年数を基軸にする場合は、「年齢給」「勤続給」
(2) 経験年数を経て獲得した保有能力を基軸にする場合は、「職能給」
(3) 役割の大きさ(仕事の権限と責任の大きさ)の場合は、「役割給」
(4) 成果の大きさの場合は「成果給」
等、上記の呼称は一般的なものですが、会社にとって最重要視している基軸で構成されている基本部分が、基本給といえるでしょう。 もちろん組合せもあります。例えば、年齢給+職能給=基本給と呼んでいる会社が、1980〜90年代前半は多かったように思います。
基本給は他の様々な報酬部分に影響を与えることが多いので、その「思想」=何のために払っているのかを明確にしておくことが重要です。 最も影響を与えるのが賞与。基本給をベースに月数を掛け算した支給方法がよくみられます。そして退職金。 やはり一番多いのは勤続年数に応じた係数に退職時の基本給を掛け算するケースです。このように他報酬への影響を考慮し「基本給とは」をしっかり組み立てることが重要です。

○最近の基本給は

最近は、年齢給や勤続給・職能給のような、経験年数を重ねて上がってく基本給を採用している会社は減り、 任されている役割や期待された成果に応じての基本部分「役割給」「グレード給」「バンド給」等々を基本にして、会社への期待・貢献度の大きさを基準にしている会社が多いようです。 その背景には、会社は右肩上がりの成長で利益を上げ続けるという性質のものではない、という事実を1991年以降のバブル崩壊で各企業が経験したことによることも大きいと思います。 人件費は企業にとって最大の固定費。従来の年齢給等であれば、例え業績が悪く資金が少なくなっても一定額を支払い続けないといけません。 年齢給や勤続給、職能給は、社会人になってからのライフサイクルをベースに作られています。 結婚、出産、そして子供の成長、成人等々でどれくらい生活費がかかるのか、が基本ですので、社員にとっては安心して働けることがメリットといえるでしょう。 但し、やってもやらなくても年齢と年数を重ねれば報酬が上がるという面も併せ持っていますので、高齢化し、俗に言う「ぶらさがり社員」が多くなると会社にとっては危険なのです。
一方、最近増えている「役割給」。任されている役割と責任の大きさで基本部分が決まるというもの。
担当者、チームリーダー(主任・係長)、マネージャー(課長、次長)、部長等々、マネジメントする組織の規模の大きくなるほど、難易度が上がるほど報酬が高くなっていくのが一般的です。 現代の会社運営においては非常に合理的だといえますが、運用がしっかりできないと社員に不公平感を感じさせます。 責任をとらない部長や部下のいない名ばかりの課長等で、役割を果たしていないのにそのポジションに就きそれなりの報酬を享受している人が出てくると、担当者のやる気を削いでしまうこともあり得ます。 運用が大切な要素です。

○手当の種類と意味

手当は会社の文化といってもいいでしょう。手当の種類と金額をみれば経営者の考え方や過去の会社歴史が推測できます。手当は大きく分けて3種類に大別できます。
(1) 労働時間に直結する手当・・・残業手当や休日出勤手当等々
(2) 仕事の役割や難易度・専門性に関連する手当・・・管理職手当、役職手当、専門職手当、資格手当等々
(3) 生活や居住地等に関連する手当・・・家族手当、住宅手当、地域手当、寒冷地手当、単身赴任手当等々
時間に関する手当は法律で決められているのでルールどおり支払わなければなりません。
役割に関する手当は「役割給」を採用している企業にはありません。年齢給・職能給等を採用している企業において、役職がついた場合に一定額を支給するといったケースです。 また会社が推奨する資格を取得すると毎月一定額が支給される場合もありますが、資格が仕事の運営上不可欠という技術系の企業が採用していることが多いようです。
また生活関連手当は、最近は減少気味です。1970、80年代は結婚すれば住居を少し広めのところに変わり子供が生まれれば扶養者が増え、 と主に男性のライフサイクルに合わせた手当の構成が見られましたが、生活も多様化し共働きも増え、個人の生活は自己責任でという考え方が一般的になりつつあり、 基本給部分を充実させることが最優先、という企業が増えてきたことが、生活関連手当の減少の大きな要因でしょう。



<人事の基礎 充実度チェック!>  制度/報酬〜報酬の構成編

 セミナーはいかがでしたか?
 あなたやあなたの所属する組織の充実度をセルフチェックしてみましょう。

  □基本給の意味や基本構成を理解している。

  □基本給に連動するほかの報酬部分とその影響度を理解している。

  □基本給と社員のモチベーションの関係を意識している。

  □手当の種類と意味を理解している。

  □各手当の必要性・支給基準・額等々の検討を定期的に行っている。


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