今 恒男
(Tsuneo Ima)
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■採用活動の効率を高める2つの法則 (2009/07/14)
以前ある企業様の販売職の中途採用を支援した時のことです。
いまや採用活動は応募される大半の方が、
ネットや携帯サイトを通じてエントリーします。
応募方法が手軽であるだけに、応募者の方も軽い気持ちで応募される方が多く、
エントリーをした方に連絡をしても、
音信不通や着信拒否は良くあることだとか。
こんな応募者も珍しくないんだそうで・・・
担:「○○さんでしょうか?」
応:「そうですけど(怒)、一体何の用ですか!?」
担:「株式会社○○と申しますが、この度はご応募ありがとうございました。」
応:「は?応募?あぁ・・・もう受ける気ないので止めときます」(ガシャン!)
客観的に聞いて、企業の採用担当者が腹立たしく思っても仕方がないと思う反応。
その企業様では、そもそも複数の媒体を駆使しても応募がなかなかなく、
ようやく集めた応募者も、かなりの割合で前述のような反応。
「まともに面接にこぎつける人はホント少ないんです」と採用担当の方は
ほとほとお困りの様子でした。
その案件では、応募者対応も私たちがお手伝いすることとなり、活動がスタート。
聞いていた通りの応募者の反応を実際に体験することになりましたが、
私たちはどんな応募者に対しても辛抱強く丁寧に対応しました。
なぜなら、
私のミッションは最終的には採用に結びつけることですが、
その企業様の採用活動にとっての大きな課題が、
まずは多くの方に足を運んでもらうことだと考えていたからです。
そこで、最初の連絡の段階から、
「この会社っていいかも」と親近感が湧くような対応を心がけ、
応募者を振り向かせることに徹しました。
もちろん足を運んでもらう中から採用に結び付けなければなりませんから、
その後は応募者のモチベーションを高める働きかけを行いました。
担当者として顔を覚えてもらうため選考にも同席してコミュニケーションを密にし、
企業や仕事の魅力を伝え、
安心して選考に臨んでもらえるようにしました。
結果、以前と応募者の層や母集団数に大きな変化はなかったのに、
足を運んでいただいた応募者から高い率で採用することが出来ました。
それは、応募者の方がその企業への関心を持った状態で面接すると、
その方の良い面が引き出され、企業側の好感度も高まったからです。
もし私がクライアント企業の担当者だったなら、
そうはいかなかったかもしれません。
自分の勤務する会社には愛着もプライドもあるのが当然ですから、
「応募者っていうのはだいたいこんなもの」と先入観を抱き、
少しでも反応が良くなければ、「この様子ではどうせ受けても不合格だろうし・・・」と
一方的に決め付けていたことでしょう。
しかし、採用側のそういった決め付けからくる拒絶の雰囲気を、
電話応対やメールの文面から
応募者は敏感に感じ取ってしまうものです。
おそらく両者が歩み寄ろうとせず、
距離が縮まることはなかったのではないでしょうか。
この事例を説明する、
2つの法則が、先日ある雑誌に紹介されているのをちょうど目にしました。
1つ目は【 ザイアンスの法則 】
@人は会えば会うほど好意を持つ
A人は知らない人には攻撃的、冷淡な対応をする
B人は相手の人間的な側面を知ったとき、より強く相手に好意を持つようになる
2つ目は【 チャルディーニの法則 】
「人には好意を持っている人からの要請を受けると、それに応えようとする」
この2つの法則、貴社の採用活動の課題解決のヒントになりませんか?
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