今 恒男
今 恒男
 (Tsuneo Ima)

■軌道修正を図る機会 (2012/06/22)

新入社員にとって入社後3ヶ月を終えるこの時期、
徐々に新しい環境にも、ルールにも慣れてくると同時に、
仕事へ取り組む姿勢などにも慣れが生じる時期でもあります。

また新卒者に限らず既卒者においても特に若手社員の場合、
その後の定着を図る上で入社後3ヶ月は、
大きな節目のタイミングであるといえるでしょう。


前回のメールマガジン(その2 「最初が肝心」)で、
入社時に、新入社員自身に目標設定させるとともに具体的なアクションプランを
たてさせることをおすすめしました。
また、新入社員任せにせず、必ず指導者が目標の意図を確認し、
具体化を促してともに加筆修正すること、
つまり、両者が“握った状態”でスタートすることが必須であるとお話ししました。


次の段階として入社3ヶ月の節目であるこの時期に是非やっていただきたいのは
その計画がどの程度すすんでいるのか、進捗状況を確認です。

掲げた目標に到達していると判断できる場合には、
さらに次の目標設定と、
そのための具体的アクションプランを作成することになります。
しかし、もしも目標に到達できていない場合には、
これまでの取り組み方や行動を振り返り、
まずその原因を究明することが大切でしょう。

例えば・・・
@そもそもの目標設定に無理があった(高すぎた)
 ⇒大まかに目標を決めてしまった
 ⇒目標に到達するまでのプロセスを考えていなかった
A日々の取り組み方が良くなかった、要領が悪かった
  ⇒手応えが感じられなかったので、途中から取り組まなくなった
  ⇒そもそもなぜ必要か、など目的意識が明確でなかったため
B取り組むべきことの優先順位が間違っていた
  ⇒目先の指示などを優先し、やるべきことを疎かに考えていた
  ⇒自分で決めたはずなのに、徐々に意識が薄れていった
など、様々な原因が見えてくるはずです。


実際に振り返ることによって、
「本来はこうすべきだったんじゃないか」とか、
「こうすればできるはずだ」
というように改善していくための知恵や工夫が湧いてきます。


これは仕事のすすめ方の基本としてよく知られている
「PDCAサイクル」の実践ともいえるでしょう。

・仮説【P】・・・当初掲げた目標に対して取り組むべき計画
・実行【D】・・・実際の計画への取り組み
・検証【C】・・・取り組んだ結果の検証
・修正【A】・・・今後に向けての改善


この時期行うことをおすすめした進捗状況の確認と振り返りは【C】に当てはまります。
ここで原因究明ができれば、
次は【A】で今後に向けての改善を考えることに。
ここでは当初の目標ありきではなく、
目標そのものに修正の必要がないか、行動計画の具体性が不足していなかったか、
さかのぼって考えましょう。

この一連の流れをきちんと行うことが
確実に目標を達成するために不可欠であることはもちろん、
新人自身に「計画を立てる」習慣をつけさせ、さらには「仕事の進め方」の実践すること
にもなります。

「新入社員」を早く卒業し、
来るべき次の新入社員を先輩として受け入れる準備を徐々に整えていくためにも、
自らの経験によって仕事への取り組み方を実感させてあげてはいかがでしょうか。


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