今 恒男
今 恒男
 (Tsuneo Ima)

■採用実務のブラッシュアップ(10)勝ちに不思議の勝ちなし。負けにも不思議の負けなし (2016/01/22)

クリスマスイブ前日の12月23日に開催された「就活ソニック」に
来場者へのセミナー講師等の役割で参加いたしました。

これは、大阪のある公共団体が開催した200社以上が参加する
学生向けの業界研究イベントです。
参加各社は一畳に満たないブースを割り当てられ、
直径60cmの丸テーブルをはさんで来場者とスタンディングで会話を交わすスタイル。


さて、皆さんならこのイベントに担当者としてどのようにして臨みますか?
言い換えれば、どのような手段を講じて結果を出されるでしょうか。


名将野村克也氏はよく、
「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」
とおっしゃっていましたが、採用活動においては
「勝ちに不思議の勝ちなし。負けにも不思議の負けなし」
という考えの方がシックリくるのではないかと思っています。

たとえば今回のイベントのような場では
たった数時間しかない中でどれくらいの人と出会いを作れるかが勝負。
そうするためにあらゆる場面を事前にシミュレーション(=想定練習)しておくことが
“勝つ”ための必須要件です。

では、実際にイベント当日多数の訪問があったブースと
そうでなかったブースの違いはどこにあったのでしょうか?
気付いた共通点をまとめてみました。

【知名度や業種に関わらず訪問数が多かったブース】
● 一目見てどんな会社か理解できるしつらえがしてある
● 常に誰かが訪問している状態をキープ(する工夫している)
● 若手や話しやすそうなスタッフが中心に運営
● 笑顔が絶えず賑やかで活気を感じる

【終始閑散としていたブース】
● 迎える雰囲気ではない(スタッフ同士の私語、スマホや読書しながらの待機)
● 腕組みしたベテランの方が仁王立ちで待ち構えている
● 掲示している情報量が多すぎて何を伝えたいかわからない
● ブースにいる担当者自身がつまらなさそうな表情

やはり訪問数が多かったブースは、
勝つべき準備をしたからこそ勝っているのだと感じました。
そんななか、特に印象に残ったのは、
スタッフ全員がサンタの帽子をかぶっていた某電機メーカーのブース。
クリスマスイブ前日でしたがサンタ仕様で臨んでいたのはここだけ。
「就活の場にサンタの帽子は不相応!」という声も聴こえてきそうですが、
当然注目度はアップし、報道機関の取材を受けるおまけ付き。

今回のイベントは表向き「業界研究」を趣旨としていますが、
参加企業にとっていかに来場者の注目を集め記憶に留めてもらうかが重要。
視覚的に他社との差別化を図ることができたこの企業は、
決して知名度は高くなくても多くの訪問者数でにぎわっていました。

さらにこの企業、ただ訪問者に説明をするのではなく、
クイズ形式で簡単な実験を行い理解してもらう仕掛けまで用意。
まさに周到な事前準備が結果につながっていたと思います。
お見事でした!

※このコラムは2016/1/12発行のメールマガジンを再掲したものです。

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