今　恒男コンサルタントコラム - 採用実務のブラッシュアップ（7）伝えたいことを伝える工夫 -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

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■採用実務のブラッシュアップ（7）伝えたいことを伝える工夫　(2015/08/28)

採用活動、特に新卒採用において、
会社説明会は応募者がこの企業の選考を受けるかどうかの決め手となる重要な場です。
皆さんは本番に向けてどのような準備をされているでしょうか。

以前このコラムでもご紹介しましたが、
私が講師を務める採用担当者向けのワークショップでは
受講者の企業の採用担当者が会社紹介をする様子をビデオ撮影し、
あとで内容や伝え方について振り返ります。

後の振り返りで出てくる感想で多いのは、
自分では流暢に話せていると思っていても、
目が泳ぎ、笑顔もなく、「えー」や「あのー」が口癖のようになっていて、
自分で見ていても「大丈夫？この会社…」と思ってしまう・・・。
専門用語や社内独得の言い回しなどが意外に多く使われていて、
初めて話を聴く人にとっては分かりづらい・・・といったようなところ。

もちろんご本人にしてみれば、恥ずかしいということで抵抗感を覚える方が多いのですが、
そこから色々な課題やヒントが炙りだされてくるので、
とても効果絶大です。
残念ながら自分が話している様子は自分では見ることができませんし、
自分が話している内容を記憶だけで冷静に振り返ることはなかなか難しいものだからです。

会社説明会の場は、参加者との初対面の場。
説明する担当者のその姿や印象は大きなインパクトがあり、
応募者の意識に大きな影響を与えます。
会社説明会で説明をされる方々にはぜひ、
ご自身の姿をビデオ撮影し、
参加者の目にどのような姿として映っているのか
検証してみることをおすすめします。

そして、内容も客観的に検証しましょう。
説明会の場で伝えたい、と準備したことが
正確に相手に届いているかどうか。

相手の理解を促すコミュニケーションをするうえで、
大切なことは何でしょうか？

それは相手を主役にしているかどうか。
「話せば分かってくれる」のではなく、「分かるように話す」ということ。
話し手側は自分にスポットライトが当たっている（ように感じる）ので
ついつい自分を主役と勘違いしがちですが、あくまで主役は相手です。

ご経験ないでしょうか？
初対面の相手との自己紹介でスベッた、もしくは反応がよくなかったこと。
相手目線の自己紹介になっていなかったのではありませんか？
つまり自分だけが知っていること、自分が話したいことだけを話していなかったでしょうか。
初対面の場では、相手が持っているあなたに関する情報は「0」です。
自分が知っていることを相手が知っているとは限らない、
自分が話したいことは相手にとって興味のあることとは限らない。
むしろ「そんなの知らないよ」となる確率のほうが高いと考えるほうがよいでしょう。

会話によるコミュニケーションにおいて、メッセージの受け取り側は、
相手から発信された内容を受けとめる前に、
・自分の価値観と比較する
・受け入れたい内容かを判断する
という２枚のフィルターを通すのだそうです。
そのフィルターを通過したものだけを自分なりの解釈をして受け取るということです。

つまり、もともと関心のあることは積極的に聴くことができるが、
自分が聴き慣れない、価値観が合わない、知らない話は、
そう簡単には相手に伝わらないものなのです。

会社説明会は会社のいわば「自己紹介」。
内容をお考えの際にはぜひご参考ください。

担当：今　恒男

※このコラムは2015/8/21発行のメールマガジンを再掲したものです。

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