今　恒男コンサルタントコラム - 内定辞退の意外な盲点 -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

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■内定辞退の意外な盲点　(2009/04/21)

新卒採用活動もいよいよ終盤戦です。
同時に気になるのが内定辞退。

「他の企業に内定したから」という理由が圧倒的に多いかも知れませんが、
中には「最初と比べて志望度が変わった（落ちた）から」という理由も少なくありません。
時間をかけ丁寧に活動してきた採用担当者にとっては、
思わず“心が折れそう”になる瞬間です。
でも、志望度が落ちるのには必ず理由があるはずです。

ところで、日本中が盛り上がったWBC。
その中で印象に残った選手がいます。
ソフトバンク川崎選手です。

「ベンチの中ですべて試合に出ていましたから」
という彼のインタビューにもあるように、
彼は単に出番を待つだけの控えではなかったのです。

ベンチでは常に誰よりも大きな声を出し、
チェンジの際は先頭に立って選手を出迎え、
キャッチボールのためだけでも全速力で走って向かい、
侍JAPANにはなくてはならない心強い存在でした。

彼は例えグラウンドでプレーしていなくても、
一員として果たすべき役割をしっかり果たしていました。

話は戻って、内定辞退者の理由。
採用支援をしていたあるクライアントさんでの会社説明会。
時間をかけて懸命に応募者を募り、
ようやく開催にこぎつけた会社説明会。

受付で学生さんの対応している脇を、
「今日はたくさん来てるんか？」と
大きな声でポケットに手を入れ、
学生さんの前を横切る管理職らしき方。
まるで他人事。

しかもエレベーターに乗り込み奥へ、
ボタンを押して「何階ですか？」と聞いているのは、
何とさっき受付を済ませた学生さん。

「おいおい、違うだろう！」と思いながら、
担当者にそのことを話すと、
「あの○○さんは三次の面接官なんです」と返ってきました。
その瞬間、
このクライアントさんの採用活動に苦労されている理由が分かりました。

いくら採用担当者が一生懸命活動をしても、
その足元から水漏れをおこしていたのです。

採用活動では、
企業側が選考して選ぶという立場ではありますが、
学生さんにも選ぶ権利はあります。
その際たる場面が、内定後の辞退。

「なぜ辞退するの？」とか、
「その企業のどこが良いの？」
と外野に理由を求めがちですが、
意外と身近なところに答えがあるのかも知れません。

採用ご担当者だけが奔走して活動される企業よりも、
全社挙げての一体感ある採用をされている企業の方が、
学生さんは「ちゃんと自分は迎えられている」、
そう感じるのではないでしょうか。

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