今　恒男コンサルタントコラム - よきお手本と目指す先輩像 -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

■コラムテーマ別
　+ 新卒採用（37)
　+ 中途採用（1)
　+ 新入社員研修（8)
　+ 若手社員の定着・戦力化（8)
　+ 採用実務（7)
　+ “辞めない”人材採用と育成（20)

■よきお手本と目指す先輩像　(2010/07/02)

前回（ http://www.pvi.jp/column/ima/no169 ）は
新入社員のフォローのあり方について触れました。
まさにこの時期、フォロー研修などを実施されている
ご担当者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はフォロー後、効果を持続させるためにできることについて
考えてみたいと思います。

フォロー研修の場などで、
久しぶりに同期の面々と顔を合わせ、
職場での不安や悩みを共感し、共有し合う新入社員たち。
新たな目標を掲げ、
「明日からまた頑張ろう！」とお互いの活躍を誓い合います。

気持ちの切り替えをしっかりとして、
職場に戻れば、そこは研修前と同じ日常。
しかし、このタイミングで研修直後のテンションを落とすことなく、
前向きな再出発ができないと、再び悶々とした日々を過ごすことになりかねません。

ではどのように対応すべきでしょうか。
2つの方法が考えられます。

1つめは、近い将来先輩になる自覚を持たせることです。
それには、内定者フォローや新卒採用の企画や運営などを任せるのは非常に効果的です。

「最も学生に近い」という彼らならではの立場を頼りにし、
彼らでなければ果たせない役割を任せることで、まず、モチベーションがあがります。
そして、自分の「後輩」となる存在を意識することで自分自身の成長を実感します。
また、自分が職場で困ったり、悩んだりした経験を思い返し、
同じ思いや経験を後輩たちにさせまいと考えるようになるのではないでしょうか。

2つめは、職場の先輩方が前向きに仕事に取り組む姿を新入社員に見せ、
改めて身近な先輩方のことを目標にしたいと思わせること。
新入社員に直接、何かするのではなく、受け入れ側の先輩社員に注目するのです。

なぜなら、
新入社員たちが気持ちを切り替え、せっかく新たな目標を立てて戻ってきても、
職場にそれを後押しするムードがなければ
立てた目標も自然消滅してしまいます。

先日ある新聞に、
「新入社員に聞いた『改めて欲しい先輩の言動』」
という特集が掲載されており、記事によると
①「挨拶をしたらきちんと返して」
②「機嫌が悪いと口調が悪くなるのはやめて」
という意見が上位にランキングされていました。

つまり、新入社員たちがフォロー研修で心新たに誓った
“社会人として当たり前のこと（＝基本）”が
できていない先輩がいかに多いかということの現れでしょう。
これでは新入社員たちのモチベーションはアップするどころか、
低下の一途を辿らせてしまうのではないでしょうか。

そのようにならないためにも
新入社員ばかりに手をかけるのではなく、
職場の先輩方に自分の言動や行動が
新入社員のお手本として相応しいかを、
改めてチェックしてもらっておく必要があるでしょう。

そのそも、新卒採用には、
新しい人員の確保という目的と同時に、
組織の活性化という効果があります。

新しい人たちは一生懸命努力します。
その姿に、受け入れる側の先輩たちは、
彼らに負けてはいられないとないと気持ちを新たにします。
それらが相乗効果となって
組織は活性化していくのです。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
Copyrightc 2010 PERSONAL VISION INSTITUTE CO.,LTD. All Rights Reserved.
このコラムの全部または一部を（株）パーソナルヴィジョン研究所の事前承諾なく、
いかなる形式・媒体にも複写掲載することを禁じます。

コラムテーマ：＜新入社員研修＞