今　恒男コンサルタントコラム - 「教える」とは -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

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■「教える」とは　(2018/01/18)

「御社では若手を育成していますか？」
このように訊かれたら皆さんはどのように答えますか？
たぶん、いやほとんどの方の答えが「Yes！」と答えることでしょう。

では、育成するとはどうすることでしょう？
辞書で「育成」の意味を調べてみると、
「育て上げること。育てて立派にすること」とあります。

「育て上げた、立派になった」状態とは
職場に置き換えると、
若手社員が一人前になった状態とでも言えるでしょうか。
この「一人前」とはどのような状態か、をさらに考えてみると、
「自分で考え、自分で動き、
受け取っている報酬以上の成果をあげられるようになる」
というような感じでしょうか。

そうなるように、皆さん頑張って「教え」ているというわけです。

では再び質問ですが、この「教える」とはどういうことでしょう？
「そりゃ、教えるとは…おしえる…でしょ」
と思われたかもしれませんが、もう少しお付き合いください。

「教える」ことをテーマに書かれたある本では
「学び手に結果を出すための望ましい行動を身につけさせたり、
望ましい行動に変えたりすること」と書かれています。

新人・若手社員の育成の場面に置き換えて言えば、
その業務において成果をあげるためのやり方を
「聴いたことがある」や「知っている」ではなく、
付き添って指導することで「できる」状態にするいうこと。

例えば、こんな場面。
新人：「先輩、次は何をしたらいいでしょうか？」
先輩：「じゃあ△△を□□してくれる？」

これは先ほどの「教える」の意味からすると何も教えたことになりません。
何をどうするかの動作を指示しただけで、「できる状態」まで指導していないからです。
新人は再びその業務をすることになったときに困って聞いてくるかもしれません。
その時「教えたつもり」の先輩は「この間教えたよね？何聴いてたの？」と不満げな態度を表す。
もし、そういったコトが繰り返されると新人は委縮して訊けなくなり、ひいては意欲も少しずつ低下するかもしれません。

指導する側の上司・先輩の方々に新入社員の課題をお聞きすると、
「いくら教えてもなかなか成長しない」
「ちゃんと教えたのにその通りにできない」と
まるで本人の能力が低いように愚痴られることが良くあります。
しかし、教える側の教え方不足を棚に上げてしまっていないでしょうか。

とはいえ、「自分たちだってちゃんと教えられていないのに」
「どうやって教えたらいいかよく分からない」
という声があるのも事実。

そこで、新入社員や若手社員を
今いるところから、近い将来のあるべき姿へ確実に導くため、
どのようにして「教える」ことが効果的なのか、
これから数回に分けて考えていきたいと思います。

さきほどのような新人に指導する場面、
皆さんだったらどんな風に伝えますか？

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