今　恒男コンサルタントコラム - 考え方や思いに目を向ける -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

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■考え方や思いに目を向ける　(2011/01/21)

昨年12月のある日、ある若手社員の方の職場へうかがい、
インタビューを行う機会がありました。

それはある学校のキャリア教育の教材制作のため。
その学校はある専門分野では有名で、
その業界で多くの卒業生の方が活躍する名門校です。

テキスト制作のご依頼に対し、
学生さんにリアルに将来像を描いていただけるものにするため、
既に働いている若手の卒業生たちの声を教材に活用してはどうか
とご提案し、数名の卒業生の方をご紹介いただいたのです。

まずその一人目としてお会いしたのは、
専門職として就職し、3年目を迎えたＡさん。
職場はＡさんのような専門職を数十名抱える企業で、
社長も実は同じ学校の卒業生。
ご自身も専門職でありながら自ら起業し、経営をなさっていらっしゃいます。

インタビューでは、
就職に至るまでのプロセスと決断に至った要因、
実際に就職して感じたこと、
後輩である学生さんへのアドバイスなどについてお聞きしました。

その職業が子供の頃からあこがれだったというＡさんの言葉からは、
日々の業務一つ一つに真摯に取り組まれている様子が伝わり、
学生さんにとって良いお話がお聞きできたとほっとしました。

加えて、「良かったなぁ」と思ったのは、
「ぜひに」とのご希望でインタビューに同席された社長さんから、
「今日は良い機会だった。」というお話をいただいたこと。

まだまだだと思い込んでいた若手社員の
仕事に対する前向きな考え方や姿勢、問題意識などを聞き、
「そんな思いを持って取り組んでくれていたとは・・・」と、
その成長ぶりに大変驚かれたのだそうです。
そして、「現場の管理職にもぜひ若手のこういう話を聞かせたい」
ともおっしゃっていました。

専門性を必要とする職場だけに、
日常の指導では、
「できていないこと」に焦点を置いたものになってしまいがちで、
本人の気持ちや思いをじっくり聞く機会はなかなか無いのだそうです。
しかし、こういった本人の思いを聞くことで、見る目も変わる。
本人はもちろん、指導する先輩・上司の側の気持ちも変わってくる。
もっと若手社員のことを理解し、知る必要があると感じた、
とおっしゃっていました。

社長の言葉を聴いていた、Ａさんは照れながらもとてもうれしそう。
おそらく、これまでにも増してモチベーションが上がり、
ひいては、専門職としてのスキルアップにもつながっていくのではないでしょうか。

私は、若手の方の研修のご依頼をいただくことが多くあります。
往々にして、そういったご依頼には
「しごいてやってください」「ピリッとさせてやってほしい」
なんていう言葉を伴います。

研修という非日常の場だからこそあがる効果はもちろんありますが、
日常の職場や先輩･上司からうける影響の大きさを無視しては、
せっかくの研修であげた効果も持続しません。
また、若手だからこそ、
「足りない部分を伸ばして欲しい」というお気持ちももちろん、わかります。
そればかりでは、成長のための「エンジン」が不足するのではないでしょうか。

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コラムテーマ：＜若手社員の定着・戦力化＞