今　恒男コンサルタントコラム - 採用担当者の役割 -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

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■採用担当者の役割　(2009/05/18)

5月2日、“ロックの神様”と言われた忌野清志郎さんが、
がん性リンパ管症のためこの世を去りました。

私は熱心なファンではありませんでしたが、
彼の存在の大きさと、人に与える影響の大きさには改めて驚かされました。
また晩年の彼の生き様には、少なからず私も、
「あんな自然体の大人って格好いいなぁ」と影響を受けた一人です。

そのような彼の作品にGW中触れる機会が幾度となくありました。
そんな中、聴きながらふと歌詞を調べ直した曲がありました。

「ぼくの好きな先生」

♪困ったような顔して、
遅刻の多いぼくを口数も少なくしかるのさ

♪劣等生のこのぼくに、
すてきな話をしてくれたちっとも先生らしくない

曲の背景とは違うかも知れないけれど、
生徒に慕われている先生の立場と、
新卒採用担当者の立場って似ている、そう感じました。

就職活動をしている学生さんにとって、
採用担当者は、いわば“担任の先生”。

エントリーしたその日から、
入社式を迎え、内定者から卒業する日まで、
どれくらい本気で体を張って付き合えるか、
エネルギーをどれだけ惜しみなく費やせるか、
どれくらい生徒（応募者）と真剣に向き合えるか、
これが採用担当者としての基本姿勢です。

毎年、売り手、買い手の採用環境動向に関わらず、
学生さんが内定承諾を決めた理由の上位には、
「採用担当者が親身に相談に乗ってくれた」
「学生の立場を考えた対応をしてくれた」
「他のどの企業の担当者よりも魅力的で憧れだった」
という採用担当者の存在。

ただの良い人ではなく、

「エントリーしてくれてありがとう」（感謝）
「こっちも頑張るから、君も頑張ってね」（応援）
「自分でもしっかり考えなきゃ」（叱咤激励）
「おめでとう、良く頑張ったね」（祝福・労い）
「一緒に頑張っていこうね」（併走・受け容れ）
という気持ちを裏表なく表現することで、
相手も本気で応え、距離を縮めることが出来ます。

ところが、採用活動を進めている場面で、
「最近の学生のレベルは・・・」とか、
「ここまで手間をかけてもどうせ・・・」という性悪説的な考え方では、
応募者はその空気を敏感に察知し、
気持ちは盛り下がり、自然に離れていってしまうのです。

「ウチはなかなか集まりがよくなくって・・・」
「内定辞退が毎年多くって・・・」
とお悩みの採用ご担当者の方にとっては、
少しだけ臨む姿勢を変えてみることで、
高額な費用をかけるよりも成果に結びつくかも知れませんね。

ただし、採用活動はすべて性善説で進めれば良いと言う訳ではありません。
ホームで活動する企業側に対して、
アウェーで活動する学生さんは、
「少しでも良く思われたい」という気持ちが湧いて普通です。
そういう気持ちを、上手に自然体に導いてあげる、
これも採用担当者の大切なスキルなのかも知れません。

採用ツールや選考基準の整備ばかりでなく、
応募者（＝未来の新入社員）から慕われる採用担当者となるべく、
取り組む姿勢にも磨きをかけておきたいものです。

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