今　恒男コンサルタントコラム - 「プロセス構築力」は早い時期に -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

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■「プロセス構築力」は早い時期に　(2017/05/08)

「（最近の若者は）すぐに答えを求めたがる」
という声をよく聞きます。

たしかに研修などでグループディスカッションなどしていても、
積極的にディスカッションしているかと思いきや冒頭から答えを出し合い、
そこそこ良さそうな答えが見つかったら、
何となくそれまで話し合った風にまとめていく。
そんな光景を目にすることが増えたように思います。
残念ながらこれはディスカッションではなく単なる答え合わせ。

ネット環境が整う以前は、分からないことがあると
辞書を引いたり、図書館に行って調べたりするしか方法がなく、
それでもだめなら知恵を絞り、どうすれば知ることができるか、
誰に訊けば分かるかを考えなければ前に進められませんでした。

“調べることを失った世代”とも呼ばれ、
当たり前のように膨大な量の情報を受け取っている若者たち。
今はわざわざ“調べる”必要もなくなり、
スマホに語りかければほとんど全ての答えを返してくれる。
しかし仕事の場面では正解がなくても自分で導き出さなければならないことも多くあります。
そこで必要になってくるのが「プロセス構築力」。

成果にたどり着くにはどのような手順が必要で、
どのような方法を使い、
どうすれば効率的にたどり着くことができるのか、
現実的な手順と方法を描くことができる力のことです。
ここに「自分で考える」という力が発揮されるのです。

私が手掛ける若手社員対象の研修では多くの場合、
終了後に研修後のアクションプランを作成します。
プロセス構築力が不足していると、
まずこのアクションプランが具体的に書けません。
それなりの目標は掲げることができても、
実現するために何をどのようにすればよいか分からず、
「早く独り立ちできるように」、「がむしゃらに」、「しっかりする」など意気込み中心で
具体性に欠ける内容に仕上がってしまいます。

成果にたどり着くための道筋を明確に描き、
確実に「初めの第一歩」を踏み出せるように考えることができる力を、
早い時期に身に付けさせることが「若手育成の肝」ではないでしょうか。

「先輩何かお手伝いできることはないでしょうか？」
と若手が尋ねてきたときに、
「じゃあ、◯◯を□□してくれる」程度の指示ではただ業務の手順を伝えているだけ。
プロセス構築力を身に着けさせるに至らず、何度も同じことを訊いてくるのは当然です。

若手育成をテーマにした人事担当者のセミナーでも、
「すぐに答えを求めようとする」
「どうしたらいいか考えようとしない」
「自分の考えを持たずに訊きにくる」
というような若手社員に対する課題を多く耳にします。

しかしその一方でセミナー後には、
「せんせい、どうやったらいいコ採れますか？」
「使えるようにするための教え方でいい方法ありますか？」
「辞めさせない特効薬って何ですか？」
というような場面もたまに、いやしばしば（笑）
どうやらこの傾向、若者だけに限らないようです。

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