今　恒男コンサルタントコラム - 本当の求める人物像 -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

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■本当の求める人物像　(2019/01/25)

実は、私、ある学校でキャリアデザインの授業を担当しています。
先日、その授業の中で、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」を見てもらいました。
ブランドプロデューサー柴田陽子さんの回です。
まさにブランドプロデューサーを目指す学科の学生たちなので、
響くのではないかと思ってのことです。

柴田陽子さんは
5つ星ホテルからコンビニスイーツ、
視察が絶えない郊外のショッピングモールなど
様々なジャンル・アイテムのブランドを作り上げる、
まさに“時代の顔”を生み出すヒットメーカー。

同時にスタッフが20名ほどの企業経営者ということもあり、
番組の中でも採用面接直後のシーンがありました。
応募者のどこを見ているのか？というスタッフの質問に対し、
柴田さんが大事にしていると答えたのは、
「気が利く」ことなのだそう。

それは単に
「新しいスタッフなんだから、気を利かせて動ける人じゃないと！」
という意味ではなく、
「気を利かす」ことには想像力が必要で、
自分たちの仕事も想像力を働かせることで成り立っている、から。

なるほど、気を利かせ先回りして行動できるには、
相手が何を望んでいるか、
いまどうしてもらえると嬉しいか、
相手の気持ちに立って物事を考えることが求められます。

とてもシンプルですが、
実態に即した「求めたい人物像」として
すぅーっと腹落ちしました。

採用担当者向けのセミナーや講座の演習でも
求める人物像を実際に挙げてもらうことがあるのですが、
人物像そのものはスラスラ書けても、
なぜそれを求めるのか、どのような場面に必要となるのか根拠が明確でなく、
上手く説明できない方がよくいらっしゃいます。

多いのは、人物像をMUSTではなく、WANTで考えている場合。
「あったらいいね」とWANTばかりに意識が向いてしまい、
本来必要なMUSTを見落としてしまっている。
それは求めるべき業務行動を起点として考えられていないからだと考えます。

求める人物像にはそれを求めたい場面が本来あるはずです。
例えば、採用後に配属先から
「何で○○もできない人を採ったの？」とクレームがあるような場合。
○○もできなければ困る場面があるということですから、
「○○ができる」ということを求めている訳です。
○○ができるのはどのような人物を指すのか、
そしてそれをどのような表現で伝えると
応募者に「自分のことだ！」と気づいてもらえるのか。
それが求める人物像なのです。

御社の「求める人物像」、
本当に実態に即した人物像になっているでしょうか？
本当に該当者に「自分のことだ」と気づかせる自信はありますか？

その点を見直してみるだけでも
採用活動の精度がアップし、
入社後のミスマッチも防ぐこともでき、
入社した方が配属先でも可愛がってもらえ、
採用人材の定着につながる、
そんなストーリーを描けるのではないでしょうか。

さて、冒頭の番組を見た学生たちに、
求める人物像の仕組みについて問うてみたところ、
大半が「とてもよく分かった」といい、実際にちゃんと理解していたようでした。
Simple is best！なんですね。

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コラムテーマ：＜“辞めない”人材採用と育成＞