今　恒男コンサルタントコラム - 新卒採用活動の見直し（11）　「あるべき姿」を意識した採用 -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

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■新卒採用活動の見直し（11）　「あるべき姿」を意識した採用　(2013/12/27)

楽天イーグルスの田中将大投手、
今シーズンの活躍は皆さんご承知のとおりです。
連勝記録だけでなく、それを無敗で成し遂げたこと、
そして160球を投げ抜いた翌日の日本シリーズ第7戦最終回での登板は、
東北の方々だけでなく日本中を感動に包みました。

つい先日、大リーグへの挑戦が正式に発表されましたが、
個人的には是非思う存分チャレンジしてきて欲しいと願っています。

ところで、今や球界一の投手となった田中投手ですが、
同世代でその彼よりも目立っていた選手を覚えているでしょうか。
甲子園で「ハンカチ王子」として注目された
日本ハムファイターズの斎藤佑樹投手です。

彼は甲子園でも日本一、
そして大学時代にも主将として大学最後の年にリーグ戦優勝、
大学日本一というこれ以上ない形で有終の美を飾り、
「持ってる」というフレーズがその年の流行語に選ばれたのは、
まだ記憶に新しいところです。

しかしながらここ最近、彼の姿を見る機会がめっきり減っています。
怪我という不運にも見舞われたとはいえ、
なかなか結果が出せないというのはとても辛いことでしょう、
今の彼の姿をどのくらいの人が想定していたでしょうか。
しかし、これがプロの世界の厳しさでもあります。

アマチュア時代に残したものは、あくまでアマチュア時代の成果。
輝かしい活躍をしたからといって
プロとして必ず成功する保証はないということです。

さて、ここ数年の新卒採用では、
量より質を問う厳選採用が当たり前となりました。
厳選に厳選を重ね採用した新入社員たち、
その後の活躍ぶりはいかがでしょうか。

「責任感を持って日々の仕事に取り組んでくれている」
「最近少し伸び悩んでいるようだ」など
それぞれに入社後の変化を起こしていると思いますが、
果たしてこちらが採用時に想定した姿に到達しているでしょうか。

「優秀な人物を採用したのだから、あとは本人が頑張ってくれるだろう」
だけでは、残念ながら思うような成長は遂げてくれません。
「採用時はあんな感じじゃなかったのに」ということは、
よく耳にするお話しです。

採用した人物が、
どのような環境で、どのような人の元で、どのような経験を積み、
その結果いつまでにどのような姿、立場になってもらうべきなのか、
受入れる側も各人の「あるべき姿」を予め考えておく必要があります。

採用活動のゴールは定着後の戦力化といわれますが、
「あるべき姿」が既にあるのならば、
その目標が果たせているのかどうか検証してみることも大切です。
ある意味これが採用担当者にとっての通知表だと言えるでしょう。

冒頭の田中将大投手の大リーグ挑戦について、
野村克也氏が日本球界の今後を憂えてこのようにコメントしていました。
「一流が一流を育てる。一流投手がいなくなったら、打者も育たない。」

どのような目標（上司・先輩・ライバル）を示し、
目標達成には何が必要なのかを考える環境を作ること、
これも成長には欠かせない“仕掛け”になるはずです。

来シーズンの田中投手の活躍も楽しみですが、
前述の斎藤投手がこれからどのような復活を見せてくれるか、
個人的にも期待しています。

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