今　恒男コンサルタントコラム - キャプテンシー養成 -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

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■キャプテンシー養成　(2018/03/29)

2015年より講師として担当した「キャプテンシー養成スクール」が、先日全カリキュラムを
終了しました。
およそ2年半に亘る長期間の研修でした。
今回は若手育成「キャプテンシー養成」について、スクールの様子を振り返りながら2回に
分けてご紹介したいと思います。

事の始まりは2015年4月、ある団体の担当者からの一本の電話。
厚労省の事業として若手人材の定着と育成をテーマにした長期の研修を行いたいので、
その講師を引き受けてもらえないか、とのことでした。
50名を超える受講者と2年半という長期間の研修。
そういった取り組みは初めてのことで、企画も一から、というスタートでした。　

「入社3年目前後の若手社員」という参加条件を聞いたとき浮かんだイメージはチームの
「キャプテン」というポジション。
サッカーでいうと、1選手ーとしてピッチに立ちながらも、他の選手たちを巻き込み勝利
することが求められる立場。
監督とも、エースストライカーとも違う存在。
イメージしたのはちょうどその頃話題になっていたサッカー選手の長谷部誠選手と
宮間あや選手の両キャプテン。
一選手でありながら、それを超えた意識を感じさせるお二人です。

そもそも「キャプテンシー」という言葉は
スポーツの世界では耳にするものの、ビジネスであまり使われることはありません。
そこで、このスクールでは「キャプテンシー」を次代のリーダーを目指す若手にこそ
求められるものとして「管理者ではなくプレーヤーの一人として、キャリアを問わず
他のプレーヤーを巻き込み、先頭に立ってチームの目標を達成する」ことと定義しました。

カリキュラムは、
・後輩（新入社員）の手本となれるような「社会人の基本」の復習、
・関係構築のためのビジネスコミュニケーション、
・成果出すためのビジネスアクション、
・人材育成や組織マネジメントのあり方、
・分析力を強化するための論理的思考やマーケティング志向など、
様々な角度から次代のリーダーを目指すにあたり今後必要となると思われるもので構成
しました。

反面、今スクールでは明日の実務をこなすための指導は何一つ行いませんでした。
なぜなら、車に例えると、ガソリンを満タンにするだけでは車は前には進まないからです。
前に進めるためにはエンジンを積まなければなりません。
ガソリンは実務での経験や知識、エンジンはそれを動かすための原動力。
極端に言えば、エンジンを他の車に積み替えても車を動かせることができる。
つまりは異動しても立場が変わっても武器になる、そんな力を全員に身につけてもらうこと
をめざしたのです。

オリンピックに出場した選手は、
「出れたらいいな」と練習した選手はいないはず。
「絶対に出る！」ことを前提に、
そのために必要なメニューを逆算して組み立てます。
次代のリーダーも日々の業務の中で「育ったらいいな」では育たないのではないでしょうか。

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コラムテーマ：＜“辞めない”人材採用と育成＞