今　恒男コンサルタントコラム - 活躍を前提にした採用要件 -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

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■活躍を前提にした採用要件　(2016/10/31)

今シーズン25年ぶりに、
広島東洋カープがリーグ優勝を果たしました。
地元広島のみならず多くのカープファンにとって、
待ちに待った優勝となりました。

今期のカープの年俸総額平均は12球団中9位。
球界最高6億円の黒田選手や外国人選手を除くと、
レギュラー陣でも高給取りは多くありません。

そのカープ、生え抜き選手が大半を占めています。
将来の活躍のために時間をかけて育成していくことを前提に、
新人を球団に迎え入れるのです。
そして、誰を指名するかを調査するのがスカウト、
まさに採用担当者の役割です。

私の新卒採用セミナーでは、
求める人物像”に関する簡単なワークをよく行います。
それはこのような内容です。
まず初めに特定の職種における求める人物像の採用要件をあげてみる。
次にあげた要件をどのような業務行動において発揮してもらいたいかを具体的に示す。

もし、業務行動を明確に示すことができないなら、
その採用要件は「あればなお良し」の可能性あり。
つまり「なければならない」ものではないということです。

本来は「こんな場面でこんな風に行動して欲しい」という必要性が先にあり、
それを分かりやすく表現したものが“求める人物像”なのですから。

そういった根拠がなく、「あれも」「これも」と言葉探しから始めてしまうと
“求める人物像”が実情とかけ離れていってしまいます。
結果、採用したものの自社に合わない、となったり、そもそもそんな人いなかった、となったり…。

求める人物像は
「あれも」「これも」なければだめという求め方ではなく、
「これさえもっていてくれれば」という目線で設定するべきだと思います。
もちろん同時に自社で育てるという覚悟と準備がなくてはならないのが前提です。

さて冒頭のカープの話に戻します。
今年活躍した選手たちも当然多くが生え抜き。
しかし、各球団スカウトから注目されていた選手ばかりではないようです。
今年のレギュラー選手の中にも、
他球団が指名を見送ろうとした選手をカープは指名しています。

アマチュア時代の活躍度は高くなくても、
例えば内野手なら小柄であろうが肩と足に重点を置き、
ピッチャーであれば伸びしろのある素材を重視しているのだそうです。
「足を使った地道なスカウト」がカープスカウトの伝統だそうで、
アンテナを張り巡らし、良いという噂を聞きつければ、
その実績や注目度を問わず中学や高校入学時からずっと追跡調査をする徹底ぶり。
そうやって逸材を発掘し、指名後入団までもっていくカープのスカウト陣は、
他球団のスカウトからもリスペクトされているのだとか。

実績を踏まえての評価は誰にでもできます。
将来の活躍を見越してその人物を評価する、
これが人材採用に関わる人の最重要要件と言えそうですね。

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コラムテーマ：＜“辞めない”人材採用と育成＞