今　恒男コンサルタントコラム - ゆとり世代の特徴（2） -| PERSONAL VISION INSTITUTE |-

今　恒男
　(Tsuneo Ima)

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■ゆとり世代の特徴（2）　(2010/03/26)

前回は、間もなく大学を卒業し入社してくる、いわゆる「ゆとり世代」の特徴を
彼らの育ってきた背景を交えて紹介しました。

前回はこちら…
http://www.pvi.jp/column/ima/no165

今回は、私自身もキャリアサポートの場で実感している、彼らの特徴を
紹介しようと思います。

物心ついた頃、暗いニュースが次々と報じられたゆとり世代。
彼らは将来に対して希望を抱くことや、
可能性に向かって挑戦することに、あまり魅力を感じないようです。

例えば40歳代の方であれば、
大阪万国博覧会やアポロ11号の月面着陸など、
世界規模の大きな出来事を目の当たりにし、
身近に実感されたことでしょう。

1977年には巨人軍王貞治選手が
756号の本塁打世界記録を達成し、
“アメリカを超えた”瞬間を味わったことは、
当時野球少年だった私の記憶にも強く残っています。

その後迎えるバブル期には、
日本人は有名なビルから絵画まで、
何でも手に入れることができる国になっていました。
「自分だって頑張れば・・・」
誰もが一度や二度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。

しかし、ゆとり世代の若者にはこのような経験がありません。
時代が変わり、味わう機会がなかったのです。

それまでの世代と異なる経験をした彼らを受け入れるとき、
必ず彼らの育ってきた背景を振り返り、
受け入れに関わる人全員が
正しく理解しておくことが大切です。

そのためには、
現在の彼らの思考や行動の特徴を十分に知るとともに、
彼らの目線に立ってその要因を考える必要があります。

いくつか象徴的な彼らの特徴を紹介してみたいと思います。

①マニュアル主義
「じゃあ何て言えばいいんですか？」
　・・・決まりごとや答えを求める傾向が強い

②挑戦したがらない
「ダメかも知れないんだったら、やる意味がない」
　・・・不確定なものにチャレンジしようとする意欲が強くない

③立場（肩書き）やイメージにこだわる
「そこに入社したら、その仕事できるんですか？」
　・・・仕事名にはこだわるが、そのための努力はしたくない

④必要以上のコミュニケーションを好まない
「話さなくて済むんだったら、話したくない」
　・・・特に目上の人との雑談ができない
などなど、こうして挙げてみると
どうしてもマイナスに思える要因が多くなってしまいます。

しかしなぜそのように考えるのか、必ず理由があるはずです。
私はその大きな要因の一つが
現代社会の情報過多にあると考えています。

彼らは子供のころから、その周囲にたくさんの情報が溢れており、
たいていのことはその中から取捨選択することで解決できる環境で育ってきました。
自分で何かを作り上げたり入手する努力をするよりも
既にあるものの中から、必要なモノをいかに選択するかや、
何を基準にそれらを処理するかが重要で、
そのことだけで精一杯だったのではないか思います。
そんななかで彼らなりに最も適した答えを出そうとしていた結果なのではないでしょ
うか。

たとえば、
①は、まさに、既にある情報（マニュアル）の中から有効なものがあるのなら
活用すればよいと捉えているかも知れません。

また、②であれば、
不確定なチャレンジをするよりは既にあるものの中から探せば
そこそこ質が高い手段が確実に見つかるということを知っているからかも知れませ
ん。

③については、
情報源であるメディアが、背景を紹介せず、
“分かりやすく目を引く場面”を取り上げてしまうので、
その影響を受けているということが考えられます。

④は、
彼らは“携帯メール世代”なので、
雑談を交わした経験がないだけかも知れません。

彼らの考え方や行動に
「なぜできない」「できないのはおかしい」と
価値観を押し付けるのではなく、
受け入れ側も一緒に考えることで、
育成していくポイントが見えてくるのではないでしょうか。

さらには、実は彼らは凄い力も持っているのです。
次回は、
彼らのプラス要因をご紹介したいと思います。
（次回に続く）

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