田畑 浩
代表取締役
田畑 浩
 (Hiroshi Tabata)

■キャリア開発(1) (2009/05/25)

私が「キャリア開発」の世界に触れ、
そしてどっぷり漬かり始めて10年になります。

当時はキャリアコンサルタントやCDAという資格も無く、
民間の再就職支援会社が米国のノウハウをアレンジしながら使用し
「キャリア開発」と称しているような状況だったように思います。


私が「キャリア開発」に携わるきっかけは2001年4月。
現在の厚生労働省管轄(大阪労働局)で中高年の方々を対象とした
「再就職支援セミナー…キャリアの棚卸と職務経歴書の書き方(3日間コース)」
の講師のお仕事でした。

前任講師が体調不良でセミナーを務められなくなり、
仕事よりもどちらかといえばアフター5で意気投合していた私に、
彼が後任として白羽の矢を立てた・・・という経緯です。
私が前職でそういう組織を運営していたことをご存知だったのかもしれません。

最初はお断りしようかと、悩みました。
聞けば、受講者の年齢層は、40代後半から50代後半までが8割。

前任講師は60代半ばでしたから、講義にも説得力があったと思いますが、
当時私は40歳になったばかり。
いくら前職で、履歴書、職務経歴書を何千通も審査していたとはいえ、
様々な人生の背景を持った受講生に対して、
説得力を持ってキャリアの棚卸をさせ職務経歴書の書き方を指導するというのは、
並大抵でないことは想像に難くありませんでした。


そしてご連絡を頂いた数日後、私は前任講師が入院している病院に、
お断りする理由を考えながら向かいました。

病室に入りお見舞いの品を手渡ししながら、
お断りの言葉をいつ切り出そうかと思った矢先に
前任講師の口から、自分の余命があと半年であることを打ち明けられ、
私に対する期待を述べられて・・・
私の中から言い訳じみた断わる理由が全て吹っ飛びました。
・・・やるしかない、と。

そして別れ際に「私のプログラムにはこだわらなくていい、
あなたがやりやすいように変えてください」とまで言って下さいました。


私は前任講師のプログラムの意味を懸命に考え、
自分自身が以前、
サラリーマン時代のキャリアを思い出す際にやりやすかった演習を組み合わせて
3日間コースを再編成。
セミナー運営事務局にもその内容とストーリーを説明、
ご理解を頂き、運営上の協力を取り付けました。


いよいよ初登壇の日。
前職では不特定多数の人の前でしゃべる機会は多く、
そういうことには慣れていたものの、
それとは全く違う緊張感が体中を走り回り、セミナー初日を迎えることとなりました。

準備万端で挑んだはずの初登壇でしたが、
最初の一時間で早くも受講生の一人が噛み付いてきました。
・・・内心、やめてくれぇーとホントに思いました。
(・・・次回に続く)

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