田畑 浩
代表取締役
田畑 浩
 (Hiroshi Tabata)

■マネジメント力の筋トレ(27) 忙しい病の管理職から抜け出すB (2014/06/05)

新入社員が入社して早や2ヶ月が過ぎました。

まだ新人研修を行っている会社もあれば、
新人を入社式と同時に現場に配属し、
すぐに業務をさせている会社もお有りかと思います。

私の経験上、新人研修が長い会社は、
業務に専門知識がどうしても必要な業種の企業に多いようです。
またすぐに配属する会社はOJT中心に現場で覚えさせる方が
育成がしやすい業種の企業に多いですね。

いずれの場合でも、2か月も経てば、
組織文化に順応してきている人材と、
まだまだ時間が掛かりそうな人材と、
にそろそろ分かれてきているのではないでしょうか?

私自身、30年前の新入社員の頃を振り返ると、
全くもって順応しない人材でした。
毎日会社に行くのが苦痛で仕方なかったことだけが
記憶に残っており、仕事のことは全く覚えていません(笑)

さて、順応人材とそうでない人材、
それぞれ何が違うのか?

もちろん元々の意欲や能力の違い等もあるでしょうが、
厳しい面接を通ってきた人材たちです。
そこに大差があるとは思えません。

もし大差があるとすれば、採用活動の甘さの問題。
求める人材像の設定の曖昧さや面接のやり方そのものが
原因だと思います、、、が、そこに焦点を当てるのは別の機会にして。

では、新人の能力に大差がないと仮定すれば、
何の違いで順応度合いに差が出るのか?
その一つに、「意識の違い」が挙げられるでしょう。

「意識の違い」を言い換えれば「視点の違い」、
“自分視点”と“仕事(相手)視点”の違いです。

入社後、こんなはずじゃなかった。。。と
愚痴る新人は明らかに“自分視点”。
こんなはず、という最初の基準設定は、
自分で勝手に考えたイメージに過ぎないだけ。
基準設定をやり直さなければ、前進には時間が掛かるでしょう。

一方で順応している新人はというと。

うまく仕事を進めるにはどうすれば、とか
仕事を依頼した人の求めるゴールは何か?
といった仕事(相手)視点から考えるタイプの人が多いようです。


さて。
新人の話はこれくらいにして、
本テーマの「忙しい病の管理職から抜け出す」、
先ほどの“自分視点”と“仕事(相手)視点”で考えてみましょう。

部下に仕事を任せる際の“自分視点”。
「私は昔、これくらいはできたんだから、君たちも結果を出して当たり前だ」
「私としては、彼・彼女のレベルではまだこの仕事は任せられない」

これでは部下のやる気を引き出すことはおろか、
結果として、自分自身の忙しい病からは逃れられません。

“仕事(相手)視点”で考えてみると。
「この業務を満足に終了させるために、彼らにどう渡していけばいいのか」
「彼らがこの仕事をやれるようになるには、どういう指導をすればいいか」

忙しい病の管理職の方々は是非“仕事(相手)視点”で
部下と接してみてください。

管理職というのは、自分の部下を通じて結果を出す人なのです。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
Copyrightc 2014 PERSONAL VISION INSTITUTE CO.,LTD. All Rights Reserved.
このコラムの全部または一部を(株)パーソナルヴィジョン研究所の事前承諾なく、
いかなる形式・媒体にも複写掲載することを禁じます。
コラムテーマ:<マネジメント力の“筋トレ”>
 バックナンバーも是非ご覧下さい □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
日頃のコミュニケーション不足を挽回する4月(2019/04/12) <新卒採用>
つぶされない会社の作り方(2019/01/25) <マネジメント力の“筋トレ”>
菅野投手に学ぶ(2018/12/03) <マネジメント力の“筋トレ”>
組織の破壊行動の逆を行く(2018/07/23) <マネジメント力の“筋トレ”>
崖っぷちのホワイトカラー(2018/04/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
フィードバックは型(1)(2018/02/08) <マネジメント力の“筋トレ”>
叱り方の教科書(3)(2018/01/19) <マネジメント力の“筋トレ”>
叱り方の教科書(2)(2018/01/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
叱り方の教科書(2017/10/13) <マネジメント力の“筋トレ”>
型破りのコーチング(2017/08/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
適性検査をコミュニケーションツールに有効活用(2017/08/10) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(43)上位者が心がけるべきこと(2016/11/04) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(42)アンガ―マネジメントと管理職研修-2(2016/08/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(41)アンガ―マネジメントと管理職研修-1(2016/05/23) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(40)アンガ―マネジメント的、上手な怒り方(2016/03/31) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(39)アンガ―マネジメントD/自分の怒りの傾向(2016/02/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(38)アンガ―マネジメントC/怒りは第二次感情(2015/12/11) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(37)アンガ―マネジメントB/行動のコントロール(2015/10/23) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(36)アンガ―マネジメントA/怒りの温度を計る(2015/09/14) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(35)怒りをコントロールする(2015/07/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ 番外編 「物理的環境で印象は変わる」(2015/06/08) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(33)番外編 日本人としての教養・見識を身につけよう(2015/04/17) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(32)根拠のない思い込みをなくす(2015/02/20) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(31)変えるべきことを引き出す(2014/12/12) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(30) 無意識の行動要因を自覚する(2014/10/31) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(29) 忙しい病の管理職から抜け出すD(2014/09/12) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(28) 忙しい病の管理職から抜け出すC(2014/07/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(27) 忙しい病の管理職から抜け出すB(2014/06/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(26) 忙しい病の管理職から抜け出すA(2014/04/14) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(25) 忙しい病の管理職から抜け出す@(2014/02/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(24) 手書き力を磨く。(2014/01/14) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(23) 伝わり方を意識する。(2013/11/28) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(22) 自分の何を真似て欲しいか。(2013/09/21) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(21) 若者の価値観を受け留める。(2013/08/02) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(20) 何故?の繰り返し方を考える。(2013/05/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(19) 自己肯定、他人肯定。(2013/04/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(18) 会議を減らす。(2013/02/22) <マネジメント力の“筋トレ”>
こだわりの価値観を一つだけ外す(2013/01/18) <キャリア開発>
マネジメント力の筋トレ(17) 即決即断のクセ付け。(2012/11/30) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(16) 禁止行為を作る。(2012/10/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
後輩の職務経歴書(2012/08/27) <キャリア開発>
マネジメント力の筋トレ(15) 自分のビジネスマナーを見直す(2012/07/06) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(14) ルーティンを作る。(2012/05/25) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(13) 新入社員の活力を継続させる。(2012/04/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(12) 禁止語を作る。(2012/02/15) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(11) 想像力を働かせる。(2012/01/06) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(10) 言い訳をする。(2011/11/08) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(9) 真の厳しさを理解する。(2011/09/26) <マネジメント力の“筋トレ”>
積極的な自己分析力こそが危機回避能力を育てる(2011/08/04) <徒然>
マネジメント力の筋トレ(8) 志を定期点検する。(2011/08/01) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(7) 現実の自分自身と向き合う。(2011/06/16) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(6) やり続けるものを作る。(2011/05/06) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(5) 自社の常識を疑う。(2011/03/25) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(4) 様々な現象を置き換えてみる。(2011/02/01) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(3) チームメンバーの行動を興味を持って観察すること(2010/12/02) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(2) 全体を俯瞰する癖をつけること。(2010/10/22) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(1) ミッションを強く深く意識すること。(2010/09/09) <マネジメント力の“筋トレ”>
キャリアの進化(2010/07/09) <キャリア開発>
マネジメントのコミュニケーション(2010/06/20) <人材育成>
適性と配置、人材育成(2010/05/28) <人材育成>
色彩センスのロジックと人材育成(2010/05/13) <徒然>
ゴールからの逆算(2010/04/23) <人材育成>
期待をかける(2010/04/02) <人材育成>
規制があるほど個性が生まれる(2010/03/12) <人材育成>
キャリアの過信(2010/02/19) <キャリア開発>
働きがいある会社(2010/01/30) <人材育成>
経営戦略における組織・人事の考え方(2010/01/21) <徒然>
『実感』でキャリアアップ(2010/01/07) <キャリア開発>
キャリアも仮説・実行・検証・修正?(2009/12/11) <キャリア開発>
研修実施の前に(2009/11/20) <人材育成>
マネジメント職に求めるもの(2009/10/29) <人材育成>
上海で学んだこと(2009/10/29) <徒然>
あるべき姿(2009/10/08) <人材育成>
キャリア開発(6)(2009/09/10) <キャリア開発>
キャリア開発(5)(2009/08/28) <キャリア開発>
キャリア開発(4)(2009/08/12) <キャリア開発>
キャリア開発(3)(2009/07/23) <キャリア開発>
人材育成(2009/07/07) <人材育成>
キャリア開発(2)(2009/06/16) <キャリア開発>
キャリア開発(1)(2009/05/25) <キャリア開発>
健全なライバル関係(2009/05/07) <徒然>
新人研修(2009/04/28) <人材育成>
記憶力と成果の関係は?(2009/02/18) <徒然>
たった一人が流れを変える(2009/01/08) <徒然>
石川遼プロに学べ、大人たち(2008/11/03) <徒然>
狙いを聞く、意図を聞く(2008/06/30) <徒然>
ファンは感じている(2008/05/12) <徒然>
賢い表現に潜む落とし穴(2008/04/04) <徒然>
上田 現氏を偲ぶ(2008/03/13) <徒然>
創業精神を伝えること(2008/03/11) <徒然>
初心に帰る大掃除(2007/12/28) <徒然>
キャリアを考える時、創り上げるとき(2007/08/14) <徒然>
変わらなければならないもの、変えてはならないもの(2007/05/29) <徒然>
目標の精度(2005/01/04) <徒然>
経営理念・ビジョンの大切さ(2004/12/25) <徒然>
ビジネスマンの仕事の仕方(2003/06/30) <徒然>
面接官の判断基準とは(2003/03/03) <徒然>
ビジネス競争力って何?その1(2003/01/25) <徒然>
人事施策の印象と効果・・・人事担当者の気配り(2002/11/25) <徒然>
サービスの視点(2002/09/30) <徒然>
職務経歴書の有効活用(2002/09/22) <徒然>
経営戦略の伝え方(2002/08/10) <徒然>
誉め殺しの効用(2002/07/07) <徒然>
ポジショニングの整理(2002/06/29) <徒然>
ワールドカップに想う(2002/06/04) <徒然>
期待と評価をオープンに(2002/05/25) <徒然>
経営トップとスタッフ(2002/05/18) <徒然>
挨拶と企業姿勢(2002/05/06) <徒然>
Copyright © 2024 Personal Vision Institute co.,ltd. All Rights Reserved.