田畑　浩
代表取締役
田畑　浩
　(Hiroshi Tabata)

 		■職務経歴書の有効活用　(2002/09/22)

職務経歴書の書き方を指導する機会が増えてきた。
数年前までは、これがセミナーになるとは思いもよらないことだったが、最近は書店に行っても必ずと言っていいほ ど”職務経歴書の書き方”という類の本がたくさん並んでいることには少し驚いている。

10年程前までは、書類選考のようなものはあまり無く（技術職は別だが）、面接選考が主流だったと思う。
私も企業の採用担当者として学生さんや中途採用希望者をそれこそ延べ10000人以上面接してきたが、書類選考を しっかりと行なうようになったのは1990年代に入ってからだったと記憶している。

職務経歴書がここに来て注目されているのは何故か。
やはりこの不況下、一つの求人職種への応募者数はとてつもなく多く、一人一人会っていられない物理的な要因が 大きいであろう。
そして、なるべく求人企業が希望している経験やスキルがあるかを精査した後に面接したい、という戦力への見通し をつけるものとして重要な書類になっていることも間違いないであろう。

そういう意味で個人のキャリアを表す書類としては唯一のツールである職務経歴書なのだが、意外にも、簡単に書か れてしまっているケースが多いのも現実だ。

職務経歴書を書くにはしっかりとしたキャリアの棚卸が必要である。
そして如何にそれを相手に伝わるように表現するか、というプレゼンテーションスキルも必要となってくる。
また、読み手側に躍動的なイメージを抱かせる為には、成果行動の表現も必要になってくるのだ。
外資系の企業の中には、現職の社員に毎年書かせているところもある。
1年でスキル・経験・能力がアップしているかどうか、を自分自身で精査できるからである。

キャリア棚卸と職務経歴書作成は、必須研修と称して行なう研修会社の出来合いのプログラムや、資格を取る事の みを目的とした通信教育、評価にしか使用しない目標管理等より、よっぽど気付きの効果や説得力があるかもしれ ない、と思うのは私だけであろうか。
コラムテーマ：＜徒然＞
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