田畑 浩
代表取締役
田畑 浩
 (Hiroshi Tabata)

■ゴールからの逆算 (2010/04/23)

「将来の幹部候補者を育成したい」
「女性の管理職を増やしたい」
「売上を取れる店長を育成したい」

会社の発展の為には、社員の成長が不可欠。
そして人材における解決したい課題は会社の歴史や背景によって様々です。
上記3ケースは、最近の弊社とご縁のある企業各社の課題の一例です。

それぞれの企業のご担当者にお話しをお聞きすると、
状況分析はしっかりできているケースがほとんど。

「今まではたまたま相応しい人材がいたから大丈夫だっただけ。これからはたまたま
ではなく、計画的に幹部候補を育成しないと事業展開のスピードに追いつかない」
「いままでは定型業務を中心に業務を任せていたが、経営にも女性の感性をもっと生
かしたい。」
「売上獲得は個人の力に頼りすぎていたので、スタイルがバラバラ。会社とし
て・・・」

そして、その状況分析結果で、
「管理職育成プログラムを作りたい」
「女性活躍の啓蒙プログラムを作りたい」
「店長育成研修を企画したい」
と直線的に、ご担当者が動かれたり、コンサル・研修会社に依頼したりする・・・
依頼された研修会社は、ここぞ、とばかりに自社のプログラムを持ってきます。

幹部候補育成プログラムは、
ロジカルシンキング、戦略策定のプログラム等
経営者として必要な思考力を磨くものがほとんど。
また女性活用は、活躍している女性が講演するセミナーや指導する管理職向けのセミ
ナー、
店長育成も実践場面のロールプレイやマネジメントのコツ、等のセミナー、

実施すればそれなりの効果はあると思います。

しかしながらこの対応は中期的に捉えると
「課題解決」ではなく「状況解決」だと私は思います。
「状況解決」は経営にとってもわかりやすいし、人事にとっても説明しやすい。
でも、本当にそれでいいのか?

決して状況対応が悪いわけではありません。
「状況解決」を粘り強く何回も繰り返して、文化を創り、
「課題解決」につなげていくことは可能だと思っています。
ただ時間と経費の犠牲は少なからず伴います。

よって、課題解決のプロセスと効果が見えやすいものにする方が、
迅速であり、さらに経営者や人事ご担当者そして対象者にとっても
納得感がでるのではないでしょうか。


皆さんご存知のコーチング。
個人の課題解決を図るテクニックのひとつです。
カウンセリングが過去に向かってWHY? だとすれば、
コーチングは未来に向かって、WHAT&HOW。

そのコーチングの中に「GROWモデル」というストーリーがあります。
Goal(目標の明確化)、
Reality(現状の把握)、
Resource(資源の発見)、
Options(選択肢の創造)、
Will(目標達成の意志)

詳細の説明はさておき、
人材育成・教育体系作りに大いに役立つ考え方だと思います。

私の場合は、2番目のリアリティに行く前に、
ゴール直前は? ゴールの何歩手前は? ゴールの中間地点は?
と、ゴールから遡ってマイルストーン毎の仮説を立て、
次に移るようにしています。

「幹部候補生(女性管理職)は何年後に何人くらい必要なのか」
「幹部(女性管理職)になるための要件はどのようなものか?」
「予備軍を増やす為には、どのような経験を積まなければならないのか」
・・・

このステップは研修に限らず、様々な課題解決に使えるものです。
手段が見えない、先が見えない課題に対して、どうすればいいのか。
そういう場面に出くわしたときにはぜひお試しください。


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