田畑 浩
代表取締役
田畑 浩
 (Hiroshi Tabata)

■組織の破壊行動の逆を行く (2018/07/23)

『Simple Sabotage Field Manual』(サボタージュマニュアル)

第二次世界大戦当時の1944年、
CIAの前身組織だった戦略情報局(OSS)が制作したもので、
敵国に潜入したスパイが、組織の機能を内部から弱体化させ、
破壊していくための戦術指南を記したもの、だそうです。

現在ではCIAのホームページから閲覧できるので、直接ご覧になったり、
また、様々な方が解説をしていますので内容をご存知の方も多いかと思います。

私も、初めてこれを読んだ時におもわず、「あるある!」
と苦笑してしまいました。 その一部を簡単にご紹介ますと。


〜指導・育成〜
「些細なことにも高い完成度を要求せよ。わずかな間違いも繰り返し修正させ小さな間違いも見つけ出せ」
→文書は細かな言葉尻にこだわったり、重要でないものでも完璧な仕上がりにこだわる。
仕事っていうのはこういうものだ!と自画自賛する管理職…

「新人を訓練する際は不完全でいい加減な指示を与えよ」
→任せるという名のもとに、放置する会社・先輩は多いですね。
離職率が高い=人材が育たない会社は殆どがこれです。

「能力に見合わない不釣合な昇進を行い有能な者は冷遇せよ」
→出る杭は打つ、自分にとって都合のいい人材を重用する。

〜意思決定プロセス〜
「業務の承認手続きをなるべく複雑にする、すべての決裁者が承認するまで、仕事を進めるな」
「何事も指揮命令系統を厳格に守る。意思決定を早めるための「抜け道」を決して許さない」
→手続き管理が管理職である私の仕事だ!!!

「あらゆる決断の妥当性を問え。ある決定が自分たちの管轄にあるのかどうか、また組織上層部のポリシーと相反しないかどうかなどを問題にせよ」
→だれが責任者・決定者かわからない。
だから物事(重要課題)がいつまでたっても進まない。

〜会議〜
「スピーチを行え。できる限り頻繁に長い話をすること。長い逸話や自分の経験を持ちだして主張のポイントを解説せよ」
→世の中には、このタイプはたくさんいるような気がしますが…

「可能な限りの事象を委員会に持ち込み「さらなる調査と熟考」を求めよ。委員会のメンバーはできるだけ多く(少なくとも5人以上)すること」
→地方公共団体への入札の際のプレゼンはいつもこんな感じですが…(失礼!)


これらを見ていると、ヒヤッとします。
停滞している会社・組織には必ず一人や二人、
ひょっとすると管理職の半数以上がこんなタイプの人が存在するかも。
今の政局を見ているようでもあります。

もちろん昨今は、コンプライアンスの問題もあり、
しっかり手順を踏まないといけない業務もあると思いますので
全てが当てはまる訳ではないですが、

変化の激しい時代に事業推進するにあたっては、
上記の行動傾向が散見される管理職は、存在価値はない、
と言ってもいいでしょう。

勇気をもって「組織の破壊行動の逆を行く」ことが、
これからの管理職には必須であり、チーム活性化の鍵ではないでしょうか。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
Copyrightc 2018 PERSONAL VISION INSTITUTE CO.,LTD. All Rights Reserved.
このコラムの全部または一部を(株)パーソナルヴィジョン研究所の事前承諾なく、
いかなる形式・媒体にも複写掲載することを禁じます。
コラムテーマ:<“辞めない”人材採用と育成>

コラムテーマ:<マネジメント力の“筋トレ”>
 バックナンバーも是非ご覧下さい □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
日頃のコミュニケーション不足を挽回する4月(2019/04/12) <新卒採用>
つぶされない会社の作り方(2019/01/25) <マネジメント力の“筋トレ”>
菅野投手に学ぶ(2018/12/03) <マネジメント力の“筋トレ”>
組織の破壊行動の逆を行く(2018/07/23) <マネジメント力の“筋トレ”>
崖っぷちのホワイトカラー(2018/04/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
フィードバックは型(1)(2018/02/08) <マネジメント力の“筋トレ”>
叱り方の教科書(3)(2018/01/19) <マネジメント力の“筋トレ”>
叱り方の教科書(2)(2018/01/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
叱り方の教科書(2017/10/13) <マネジメント力の“筋トレ”>
型破りのコーチング(2017/08/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
適性検査をコミュニケーションツールに有効活用(2017/08/10) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(43)上位者が心がけるべきこと(2016/11/04) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(42)アンガ―マネジメントと管理職研修-2(2016/08/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(41)アンガ―マネジメントと管理職研修-1(2016/05/23) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(40)アンガ―マネジメント的、上手な怒り方(2016/03/31) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(39)アンガ―マネジメントD/自分の怒りの傾向(2016/02/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(38)アンガ―マネジメントC/怒りは第二次感情(2015/12/11) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(37)アンガ―マネジメントB/行動のコントロール(2015/10/23) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(36)アンガ―マネジメントA/怒りの温度を計る(2015/09/14) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(35)怒りをコントロールする(2015/07/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ 番外編 「物理的環境で印象は変わる」(2015/06/08) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(33)番外編 日本人としての教養・見識を身につけよう(2015/04/17) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(32)根拠のない思い込みをなくす(2015/02/20) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(31)変えるべきことを引き出す(2014/12/12) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(30) 無意識の行動要因を自覚する(2014/10/31) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(29) 忙しい病の管理職から抜け出すD(2014/09/12) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(28) 忙しい病の管理職から抜け出すC(2014/07/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(27) 忙しい病の管理職から抜け出すB(2014/06/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(26) 忙しい病の管理職から抜け出すA(2014/04/14) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(25) 忙しい病の管理職から抜け出す@(2014/02/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(24) 手書き力を磨く。(2014/01/14) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(23) 伝わり方を意識する。(2013/11/28) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(22) 自分の何を真似て欲しいか。(2013/09/21) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(21) 若者の価値観を受け留める。(2013/08/02) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(20) 何故?の繰り返し方を考える。(2013/05/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(19) 自己肯定、他人肯定。(2013/04/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(18) 会議を減らす。(2013/02/22) <マネジメント力の“筋トレ”>
こだわりの価値観を一つだけ外す(2013/01/18) <キャリア開発>
マネジメント力の筋トレ(17) 即決即断のクセ付け。(2012/11/30) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(16) 禁止行為を作る。(2012/10/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
後輩の職務経歴書(2012/08/27) <キャリア開発>
マネジメント力の筋トレ(15) 自分のビジネスマナーを見直す(2012/07/06) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(14) ルーティンを作る。(2012/05/25) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(13) 新入社員の活力を継続させる。(2012/04/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(12) 禁止語を作る。(2012/02/15) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(11) 想像力を働かせる。(2012/01/06) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(10) 言い訳をする。(2011/11/08) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(9) 真の厳しさを理解する。(2011/09/26) <マネジメント力の“筋トレ”>
積極的な自己分析力こそが危機回避能力を育てる(2011/08/04) <徒然>
マネジメント力の筋トレ(8) 志を定期点検する。(2011/08/01) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(7) 現実の自分自身と向き合う。(2011/06/16) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(6) やり続けるものを作る。(2011/05/06) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(5) 自社の常識を疑う。(2011/03/25) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(4) 様々な現象を置き換えてみる。(2011/02/01) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(3) チームメンバーの行動を興味を持って観察すること(2010/12/02) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(2) 全体を俯瞰する癖をつけること。(2010/10/22) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(1) ミッションを強く深く意識すること。(2010/09/09) <マネジメント力の“筋トレ”>
キャリアの進化(2010/07/09) <キャリア開発>
マネジメントのコミュニケーション(2010/06/20) <人材育成>
適性と配置、人材育成(2010/05/28) <人材育成>
色彩センスのロジックと人材育成(2010/05/13) <徒然>
ゴールからの逆算(2010/04/23) <人材育成>
期待をかける(2010/04/02) <人材育成>
規制があるほど個性が生まれる(2010/03/12) <人材育成>
キャリアの過信(2010/02/19) <キャリア開発>
働きがいある会社(2010/01/30) <人材育成>
経営戦略における組織・人事の考え方(2010/01/21) <徒然>
『実感』でキャリアアップ(2010/01/07) <キャリア開発>
キャリアも仮説・実行・検証・修正?(2009/12/11) <キャリア開発>
研修実施の前に(2009/11/20) <人材育成>
マネジメント職に求めるもの(2009/10/29) <人材育成>
上海で学んだこと(2009/10/29) <徒然>
あるべき姿(2009/10/08) <人材育成>
キャリア開発(6)(2009/09/10) <キャリア開発>
キャリア開発(5)(2009/08/28) <キャリア開発>
キャリア開発(4)(2009/08/12) <キャリア開発>
キャリア開発(3)(2009/07/23) <キャリア開発>
人材育成(2009/07/07) <人材育成>
キャリア開発(2)(2009/06/16) <キャリア開発>
キャリア開発(1)(2009/05/25) <キャリア開発>
健全なライバル関係(2009/05/07) <徒然>
新人研修(2009/04/28) <人材育成>
記憶力と成果の関係は?(2009/02/18) <徒然>
たった一人が流れを変える(2009/01/08) <徒然>
石川遼プロに学べ、大人たち(2008/11/03) <徒然>
狙いを聞く、意図を聞く(2008/06/30) <徒然>
ファンは感じている(2008/05/12) <徒然>
賢い表現に潜む落とし穴(2008/04/04) <徒然>
上田 現氏を偲ぶ(2008/03/13) <徒然>
創業精神を伝えること(2008/03/11) <徒然>
初心に帰る大掃除(2007/12/28) <徒然>
キャリアを考える時、創り上げるとき(2007/08/14) <徒然>
変わらなければならないもの、変えてはならないもの(2007/05/29) <徒然>
目標の精度(2005/01/04) <徒然>
経営理念・ビジョンの大切さ(2004/12/25) <徒然>
ビジネスマンの仕事の仕方(2003/06/30) <徒然>
面接官の判断基準とは(2003/03/03) <徒然>
ビジネス競争力って何?その1(2003/01/25) <徒然>
人事施策の印象と効果・・・人事担当者の気配り(2002/11/25) <徒然>
サービスの視点(2002/09/30) <徒然>
職務経歴書の有効活用(2002/09/22) <徒然>
経営戦略の伝え方(2002/08/10) <徒然>
誉め殺しの効用(2002/07/07) <徒然>
ポジショニングの整理(2002/06/29) <徒然>
ワールドカップに想う(2002/06/04) <徒然>
期待と評価をオープンに(2002/05/25) <徒然>
経営トップとスタッフ(2002/05/18) <徒然>
挨拶と企業姿勢(2002/05/06) <徒然>
Copyright © 2024 Personal Vision Institute co.,ltd. All Rights Reserved.