代表取締役
田畑 浩
(Hiroshi Tabata)
■コラムテーマ別
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新卒採用(1)
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人材育成(11)
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徒然(31)
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マネジメント力の“筋トレ”(53)
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キャリア開発(12)
■賢い表現に潜む落とし穴 (2008/04/04)
日本語は本当に難しい。平仮名、カタカナ、漢字等、様々な表現が混在するのは日本独特らしい。
そして、四字熟語や英語で表現すれば、なぜか賢く見える。そしてその文章もシャープに見える。ところが本当に伝えたい人に伝わっているかどうかは疑わしい。「賢さ」や「シャープさ」という印象だけ与えることが目的であればそれでもよかろうが、聞き手や仲間に本当の意味が伝わらないと意味が無い。
この1,2年はマネジメント層に対する研修のリクエストも多く、その目的に応じて様々な演習を組み立てているが、目的に関らず実施している演習がいくつかある。
そのうちの一つが自分の所属している会社の「強み」と「弱み」をどう理解しているか?という演習。
マネジメント層が、自社の財産を共通理解していないと、会社の戦略推進に総合力が発揮できないと考え導入した。
この演習をはじめた当初は、「技術力が優れている」「営業力が秀でている」等、定番で抽象度の高い熟語が多発した。研修進行上はスムーズで、言わば「大人の会話」として無難なのだが、これでは研修のための研修になってしまう、と危機感を感じた。果たして皆の言う「技術力」は同じことを言っているだろうか?
発表の際には、何故強いのか?何と比べてどれくらい強いのか?どうすれば継続できるのか、どうすればさらに強くなるのか等、の質問をしていくうちに、各グループで認識にズレがあることもしばしば。
いまでは、親切にも・・・実は進行時間の問題もあり(笑)・・・その質問も演習の中にあらかじめ組み入れてディスカッションしてもらうことにしている。それでも依然として抽象度の高い回答が続出する。それこそ「賢い」回答が染み付いているようだ。
研修ではその「賢い」回答を実践的な情報に変換して共有化していくことに注力する。
また、先日ある学校の教員対象のセミナーではこんなことがあった。
学生にどのような状態で卒業して欲しいか、という演習。「即戦力」として卒業して欲しい、とあるグループ発表。参加している先生は、うんうんとうなずいている人も少なくなかった。果たして即戦力とはどんな人材だろうか。技術?行動力?人柄?それとも・・・。
これも、もっと具体的に共通認識を持つようアドバイスを差し上げた。
私もサラリーマン時代に会議で具体的に理解できない表現が出ても、その場では質問することもせず、曖昧のまま仕事を進めることもたびたびであった。その当時はそれが無難で美徳だと思っていたのだが、今となっては冷や汗もの。
ひょっとすると、そんなことの積み重ねで大事な「理念」や「社風」が希薄になっていくのかも、と勝手に想像しているが、考えすぎだろうか?
コラムテーマ:<徒然>
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バックナンバーも是非ご覧下さい □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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