田畑 浩
代表取締役
田畑 浩
 (Hiroshi Tabata)

■『実感』でキャリアアップ (2010/01/07)

新年早々はできれば前向きな話題でスタートしたいものですが、
マスコミが報道するニュースは厳しい話題ばかり。

確かにデフレ基調で景気の回復の兆しみられず、
様々な経営者が厳しい予測を口にしています。

社員一人ひとりも仕事・お取引先・お客様を通じてその厳しさを『実感』している、
という会社も多いと思います。

この『実感』が自律したキャリアを目指す人達にはとても重要な要素なのです。

「昨年同時期に比べ明らかに来店客数が減っている」
「お取引先に納品する原材料が、少なくそして細かくなっている」
「あの角に出来たパン屋さんにはいつも高齢者のお客様がたくさん入っている」

・・・このような認識した状況は残念ながら『実感』ではありません。単なる気付きです。
この気付きに肉付けをしていく・・・と『実感』につながっていきます。

「来店客数は、周辺のお店も減っているのか。昨年と商品・価格がどう変えてきたか、
 近くでオープンしたお店はないのか・・・」
「何故、取引先がそのような施策を打ってくるのか、取引先内で何が起こっているのか・・・」
「高齢者を惹きつけているのは、場所?商品構成?サービス?内装?それとも」

気付きに理由付けが出来たとき『実感』になり、自分の次の行動につながっていく。
そうです、次のアクションにつながる事実確認が『実感』といってもいいでしょう。

キャリアセミナーを実施する際、自己の棚卸はもちろんですが、
自分そして自社、自部門を取り巻く環境はどう変化しているのか、
を考えてもらう時間も取ります。
そしてそれに対して自分がどう行動を起こしてくのかを考える。
=キャリアアップにつながっていきます。

案外多いのが、新聞に載っているような一般論を書く人。
これは自分自身で『実感』していない証拠です。

日々同じ職場で過ごし、同じ仕事をしていると、
世の中の変化への関心は置き去りになりがちです。
そのうちに本当の大きな変化を見落として・・・
という方々を再就職支援ではたくさんみてきました。

では、どうすれば『実感』する感度が磨けるのか?

一番簡単な方法は『定点観測』。
一つのテーマを決めて定期的に観測して変化の理由を考える。

私のクセの一つとして、タクシーに乗ると必ず運転手さんに話しかけるんです。
「この駅から乗る人はどこへいく人が多いのですか?」
から始まり、その答え次第で
「ビジネスマン?老人?観光客?」「何曜日が多い?何時くらいが?」
「雨の日と晴れの日は違う?」etc.
次回、同じ場所から乗っても同じ質問をします、運転手さんは違いますから。
当初は、性格的に2人きりの密室での沈黙がイヤで話し掛けていただけなのですが、
そのうちに聞いた情報が結構役に立つことに気が付き、
『実感』する為に聞いた情報を積み重ね、時には調べ、
街や人の動きのイメージを描いていき、
クライアントとの会話や研修のつかみにすることもしばしば。
・・・ホント運転手の皆さん、助かってます。

こんなことからでもはじめてみては如何でしょうか?

管理部門の方々はなかなか外部環境と触れる機会は少ないと思いますが、
自分なりの『定点観測』を創り出して『実感』してみてください。


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