田畑 浩
代表取締役
田畑 浩
 (Hiroshi Tabata)

■マネジメント力の筋トレ(41)アンガ―マネジメントと管理職研修-1 (2016/05/23)

この3月末に専門学校の先生を対象に、4月に某企業の支店長を対象に
アンガ―マネジメントを軸としたセミナーをさせて頂きました。

通常、入門講座でお伝えしている内容・演習と
個人別のアンガ―マネジメント診断のフィードバックです。

入門講座の主な内容は、
当メルマガのバックナンバー 〜マネジメント力の筋トレ(35〜38)〜
が中心で、

・アンガ―マネジメントとは、怒りの性質を理解する
・衝動のコントロール→6秒ルール、温度を測る
・思考のコントロール→自分を怒らせるものは?
 べきの境界線、自分の持っている「べき」は?
・行動のコントロール→自分で変えられるもの、変えられないもの

 → http://www.pvi.jp/column_tabata/no211 からご覧ください。

研修では、実際の職場場面で自分はどうなのか、を振り返る演習や、
参加者同士の認識の擦り合わせを行いました。

これらの中で特に興味深かったのが、思考のコントロールの演習。

専門学校では、実際の生徒からのアンケートで
「機嫌で怒っている」と思われている先生もいたようで。例えば、
集合時間3分前で怒られた日と、時間ちょうどでも怒られなかった日があれば
先生なりに根拠があっても、生徒にはその基準がわからず、
「機嫌がいい時は怒らない、機嫌が悪い時は怒る」になってしまいます。

「機嫌」で怒ると思われると何がいけないのか。
それは、相手には最初に「また機嫌で怒っている」と言う印象が強く入り、
真に伝えたい「怒られている理由」が頭に入らない、ということなのです。

演習では、各先生が、生徒に対して自分はどういう「べき」を持っているのか、
を表出し、またどこまでが許せる範囲なのか、を話し合って頂きました。
学校水準を決め、それを生徒にオープンにしてその通りに怒っていけば、
「機嫌」で怒るという解釈はなくなることを理解して頂きました。

また、某企業の支店長さんの場合。
さすが数値責任を背負っている管理職、とても細かい要求も多々あり。
例えば、
・机の上の整理の仕方
・5コール以内の電話応答
・聴く姿勢、書類の書き方 等々、
部下に要求する自分の「べき」がたくさん出てきました。
自分の「べき」と違う部下がいると「イライラ」して、
怒ることもしばしばとか。

さらに、指導している時の部下の態度が悪いと、
余計にイライラして怒鳴り散らす!という方もおられました(笑)

ここで一番強調したのは、
自分の「べき」を部下と共有していますか?ということ。
そうでなければ、
単なる小うるさいおやじ支店長と思われてしまいますよ、と。

セミナー後、支店に帰ってまずやることとして、
支店メンバー全員に、支店長の持っている「べき」とその理由をまず説明し、
皆の意見を聞きながら、支店の水準を全員で決める。
決めたらその基準を動かさない。

そうすることによって、
自分も部下も心身共に健全な営業活動に専念できるようになる
ことをお話しました。

そして。
この2団体の研修でさらに盛り上がったのは、
個人別のアンガ―マネジメント診断。
内容は、当コラムの以前の記事(http://www.pvi.jp/column/tabata/no223) でお伝えしましたが、
・自分は何にイライラしやすい人のか?
・怒りの強度や持続性、頻度の度合いは?
・人、モノ、自分、怒った時に何に当たりやすいのか?の診断です。

その詳細は次回のコラムで。



※このコラムは2016/5/13発行のメールマガジンを再掲したものです。


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