田畑 浩
代表取締役
田畑 浩
 (Hiroshi Tabata)

■マネジメント力の筋トレ(36)アンガ―マネジメントA/怒りの温度を計る (2015/09/14)

前回は、アンガ―マネジメントとは、そして
怒りの性質や、人は何に対して怒っているのか、
をお話しました。

「アンガ―マネジメント」の考え方として
「怒る」ことは悪いことではない、むしろ人間の自然な感情の一つ、
という前提に立っています。
怒りそのものには良いも悪いもないのです。

ただ問題は、怒るものなのか、怒らないものなのか、
区別がついていないこと。
怒ることで伝わることもあれば、伝わりにくくなってしまうこともある。

管理職をはじめとする「発信する」「浸透させる」「指導する」立場の人は、
怒り=イラッとくる感情をコントロールすることで、
メッセージの真意を伝える、或は周囲との負の関係性を断ち切ることが
容易になるのです。

今回は2つのポイントを。

一つ目はブログにも書きましたが、
「怒りの感情のピークは長くて6秒」

カッときて、体中にアドレナリンがいきわたるのが
だいたい4秒〜7秒だそうです。その間は衝動的になりやすいとか。
感情的に言い返したり、手が出たり、物にあたったりと。

ということでカッときたら、6秒がまん、6秒待てれば
怒りの感情はだいたい鎮まるので、
そこから冷静に対処法を考えればいいということです。

例えば。
カッときた瞬間に手のひらに指で、
頭にきたこと、イラッとした内容を書いてみましょう。
その間に6秒は過ぎて、ピークは収まります。
その後は客観的に、冷静に、
前回お話した相互の「べき」のズレを考えてみてください。

二つ目は、「怒り、イライラの温度(点数)を計る」

イラッとした、カッときた瞬間、
人生最大の怒りを10点、穏やかな状態を0点としたとき、
いまのイライラ度は何点か、数字にしてみる。

数値化することで、冷静さを取り戻し、怒りを客観視することができる。

これに慣れてくると、次に同じ出来事でイラッときても
以前より点数が低くなっていく傾向があるようです。
要するに許容範囲が広がってきた、ということにもなります。

ちなみに点数化は、マネジメントにはとても大切な行為。
「ゴールを10点としたら、その仕事の進捗状況は何点くらい?」
上司にとっては進み具合や完成度がとてもイメージしやすくなります。

「君にとってこの業務の難易度は、普通にやればできる、
を5点とすれば10点満点で何点?」
部下の認識度やチャレンジ度、自己評価が見えてきます。

さらに面接官としても、
相手の話を引きだす際の手段として数値化はとても有用です。

是非トライしてみてください。


※このコラムは2015/9/4発行のメールマガジンを再掲したものです。


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