代表取締役
田畑 浩
(Hiroshi Tabata)
■コラムテーマ別
+
新卒採用(1)
+
人材育成(11)
+
徒然(31)
+
マネジメント力の“筋トレ”(53)
+
キャリア開発(12)
■マネジメント力の筋トレ(35)怒りをコントロールする (2015/07/24)
先日、一般社団法人日本アンガ―マネジメント協会主催の
「アンガ―マネジメントファシリテーター養成講座」
に参加して来ました。
「アンガ―マネジメント」
日本ではまだあまり馴染みのない言葉です。
直訳すれば、怒りの感情をコントロールする、といった感じでしょうか。
その参加するきっかけ等はブログ http://pvc0711.blog27.fc2.com/
に揚げていますので、興味のある方はそちらをご覧下さい。
「コーチング」をはじめとするコミュニケーションスキルが
上司・管理職にとって武器になるということで、
企業研修に取り入れている会社も多いと思います。
実際に私も、企業研修をさせて頂く際には、
そのエッセンスを演習の中に入れることもしばしば。
ただ、日常の指導やマネジメントには
コーチングはとても大切なスキルですが、
現実的にはそれだけでは対処できないこともあり。。。
効率やスピードが求められ、さらに成果を求められる管理職にとって
若いころは何でもなかったことでも
「イラッとくる」出来事や、
「イラッとくる」部下・後輩の行動、
「イラッとくる」家庭生活、
も少なからず、あるかと思います。
特に、怒りの性質の一つとして、
「高いところから低いところに流れる」すなわち、
役割の高い人、発言力の大きい人、専門性の高い人、情報量が多い人、から
役割の低い人、発言力の小さい人、専門性が低い人、情報量が少ない人に、
流れる、というものがあるそうです。
部長が課長に「今月の売上なんでこんなに低いんだ!」と怒ると、
その課長が係長に「何で先に俺に資料を見せないんだ!」と怒る。
すると係長は係員に「もっと早く資料を作成しろ!」と怒る。
…と、怒りは高いところから低いところに伝播する、ということです。
そうなると組織に掛るストレスも次第に大きくなり、
モチベーションにも影響して、成果創出のブレーキになる。
このような経験はキャリアの長い方なら1度や2度はお有りかと思います。
アンガ―マネジメントは
「怒り」の正体を知り、「怒り」の性質を理解し、
何に怒るのか、どの程度で怒るのかという「怒り」のモノサシを安定させ、
自分の怒りの感情に責任を持つ、ということが軸になっています。
またその対処法は、
皆さんが今まで学んできた様々なコミュニケーションスキルが
大いに活かせます。
これから数回にわたり、
アンガ―マネジメントのエッセンスをお伝えしようと思います。
さて今回は「私たちを怒らせるものは何?」
いつも始業時間ギリギリに出社する新人の田中君に対して怒っているあなた。
何に怒っているのでしょうか?
@田中君に Aギリギリにくることに B変えようとしない態度に
一見するとどれも正しいように思えますよねぇ。。。
実はその正体は上のどれでもなく、あなたが持っている「べき」なんです。
「べき」とは理想、こうあるべきという理想です。
「新入社員なんだから誰よりも早く来て当たり前、何様だと思っているんだ!」
理想と現実のギャップに「イラッと」するんですね。
恐らく田中君は、
始業時間には間に合っているんだから、という理由がある。
怒れば、あなたはスカッとするが相手は「何で?!」となる。
怒らなければ、相手にストレスは掛からないが、あなたはストレスを抱える。
こんな時は、お互いの価値観を擦り合わせて、
どこまでが許容範囲なのかを決めることです。
早く来るとは何分前なのか? その合理的理由は何なのか、を。
ここで重要なのは「擦り合わせ」です。
お互いに黙っていれば永遠にその距離が縮まりません。
受講した講座での演習でこんなことをやりました。
@自分の「べき」と全く同じ
A少し違うが許容範囲・許容可能
B自分の「べき」とは違う、許容できない
講師が「次から言うもので、白いご飯に合うものは@ABどれか指差してください」
お好み焼き・・・関西出身と関東出身で@とBに分かれました
おでん・・・お酒を飲む人と飲まない人で@ABに分かれました。
シチュウ・・・若い人と年配の人で@ABに分かれました。
等々自分の「べき」と違う人が当たり前のように存在する。
最近「イラッときた」ことがあれば、
是非当事者と擦り合わせをしてみてください。
案外、「知りませんでした、次回からそうします」
と受け入れてくれる案件もあるかと。
健全なチーム運営の為には、
小さなストレスは溜めない努力も管理職には必要ですね。
※このコラムは2015/7/17発行のメールマガジンを再掲したものです。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
Copyrightc 2015 PERSONAL VISION INSTITUTE CO.,LTD. All Rights Reserved.
このコラムの全部または一部を(株)パーソナルヴィジョン研究所の事前承諾なく、
いかなる形式・媒体にも複写掲載することを禁じます。
コラムテーマ:<マネジメント力の“筋トレ”>
◎
バックナンバーも是非ご覧下さい □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
日頃のコミュニケーション不足を挽回する4月(2019/04/12) <新卒採用>
つぶされない会社の作り方(2019/01/25) <マネジメント力の“筋トレ”>
菅野投手に学ぶ(2018/12/03) <マネジメント力の“筋トレ”>
組織の破壊行動の逆を行く(2018/07/23) <マネジメント力の“筋トレ”>
崖っぷちのホワイトカラー(2018/04/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
フィードバックは型(1)(2018/02/08) <マネジメント力の“筋トレ”>
叱り方の教科書(3)(2018/01/19) <マネジメント力の“筋トレ”>
叱り方の教科書(2)(2018/01/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
叱り方の教科書(2017/10/13) <マネジメント力の“筋トレ”>
型破りのコーチング(2017/08/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
適性検査をコミュニケーションツールに有効活用(2017/08/10) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(43)上位者が心がけるべきこと(2016/11/04) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(42)アンガ―マネジメントと管理職研修-2(2016/08/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(41)アンガ―マネジメントと管理職研修-1(2016/05/23) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(40)アンガ―マネジメント的、上手な怒り方(2016/03/31) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(39)アンガ―マネジメントD/自分の怒りの傾向(2016/02/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(38)アンガ―マネジメントC/怒りは第二次感情(2015/12/11) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(37)アンガ―マネジメントB/行動のコントロール(2015/10/23) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(36)アンガ―マネジメントA/怒りの温度を計る(2015/09/14) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(35)怒りをコントロールする(2015/07/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ 番外編 「物理的環境で印象は変わる」(2015/06/08) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(33)番外編 日本人としての教養・見識を身につけよう(2015/04/17) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(32)根拠のない思い込みをなくす(2015/02/20) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(31)変えるべきことを引き出す(2014/12/12) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(30) 無意識の行動要因を自覚する(2014/10/31) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(29) 忙しい病の管理職から抜け出すD(2014/09/12) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(28) 忙しい病の管理職から抜け出すC(2014/07/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(27) 忙しい病の管理職から抜け出すB(2014/06/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(26) 忙しい病の管理職から抜け出すA(2014/04/14) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(25) 忙しい病の管理職から抜け出す@(2014/02/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(24) 手書き力を磨く。(2014/01/14) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(23) 伝わり方を意識する。(2013/11/28) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(22) 自分の何を真似て欲しいか。(2013/09/21) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(21) 若者の価値観を受け留める。(2013/08/02) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(20) 何故?の繰り返し方を考える。(2013/05/24) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(19) 自己肯定、他人肯定。(2013/04/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(18) 会議を減らす。(2013/02/22) <マネジメント力の“筋トレ”>
こだわりの価値観を一つだけ外す(2013/01/18) <キャリア開発>
マネジメント力の筋トレ(17) 即決即断のクセ付け。(2012/11/30) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(16) 禁止行為を作る。(2012/10/18) <マネジメント力の“筋トレ”>
後輩の職務経歴書(2012/08/27) <キャリア開発>
マネジメント力の筋トレ(15) 自分のビジネスマナーを見直す(2012/07/06) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(14) ルーティンを作る。(2012/05/25) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(13) 新入社員の活力を継続させる。(2012/04/05) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(12) 禁止語を作る。(2012/02/15) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(11) 想像力を働かせる。(2012/01/06) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(10) 言い訳をする。(2011/11/08) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(9) 真の厳しさを理解する。(2011/09/26) <マネジメント力の“筋トレ”>
積極的な自己分析力こそが危機回避能力を育てる(2011/08/04) <徒然>
マネジメント力の筋トレ(8) 志を定期点検する。(2011/08/01) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(7) 現実の自分自身と向き合う。(2011/06/16) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(6) やり続けるものを作る。(2011/05/06) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(5) 自社の常識を疑う。(2011/03/25) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(4) 様々な現象を置き換えてみる。(2011/02/01) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(3) チームメンバーの行動を興味を持って観察すること(2010/12/02) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(2) 全体を俯瞰する癖をつけること。(2010/10/22) <マネジメント力の“筋トレ”>
マネジメント力の筋トレ(1) ミッションを強く深く意識すること。(2010/09/09) <マネジメント力の“筋トレ”>
キャリアの進化(2010/07/09) <キャリア開発>
マネジメントのコミュニケーション(2010/06/20) <人材育成>
適性と配置、人材育成(2010/05/28) <人材育成>
色彩センスのロジックと人材育成(2010/05/13) <徒然>
ゴールからの逆算(2010/04/23) <人材育成>
期待をかける(2010/04/02) <人材育成>
規制があるほど個性が生まれる(2010/03/12) <人材育成>
キャリアの過信(2010/02/19) <キャリア開発>
働きがいある会社(2010/01/30) <人材育成>
経営戦略における組織・人事の考え方(2010/01/21) <徒然>
『実感』でキャリアアップ(2010/01/07) <キャリア開発>
キャリアも仮説・実行・検証・修正?(2009/12/11) <キャリア開発>
研修実施の前に(2009/11/20) <人材育成>
マネジメント職に求めるもの(2009/10/29) <人材育成>
上海で学んだこと(2009/10/29) <徒然>
あるべき姿(2009/10/08) <人材育成>
キャリア開発(6)(2009/09/10) <キャリア開発>
キャリア開発(5)(2009/08/28) <キャリア開発>
キャリア開発(4)(2009/08/12) <キャリア開発>
キャリア開発(3)(2009/07/23) <キャリア開発>
人材育成(2009/07/07) <人材育成>
キャリア開発(2)(2009/06/16) <キャリア開発>
キャリア開発(1)(2009/05/25) <キャリア開発>
健全なライバル関係(2009/05/07) <徒然>
新人研修(2009/04/28) <人材育成>
記憶力と成果の関係は?(2009/02/18) <徒然>
たった一人が流れを変える(2009/01/08) <徒然>
石川遼プロに学べ、大人たち(2008/11/03) <徒然>
狙いを聞く、意図を聞く(2008/06/30) <徒然>
ファンは感じている(2008/05/12) <徒然>
賢い表現に潜む落とし穴(2008/04/04) <徒然>
上田 現氏を偲ぶ(2008/03/13) <徒然>
創業精神を伝えること(2008/03/11) <徒然>
初心に帰る大掃除(2007/12/28) <徒然>
キャリアを考える時、創り上げるとき(2007/08/14) <徒然>
変わらなければならないもの、変えてはならないもの(2007/05/29) <徒然>
目標の精度(2005/01/04) <徒然>
経営理念・ビジョンの大切さ(2004/12/25) <徒然>
ビジネスマンの仕事の仕方(2003/06/30) <徒然>
面接官の判断基準とは(2003/03/03) <徒然>
ビジネス競争力って何?その1(2003/01/25) <徒然>
人事施策の印象と効果・・・人事担当者の気配り(2002/11/25) <徒然>
サービスの視点(2002/09/30) <徒然>
職務経歴書の有効活用(2002/09/22) <徒然>
経営戦略の伝え方(2002/08/10) <徒然>
誉め殺しの効用(2002/07/07) <徒然>
ポジショニングの整理(2002/06/29) <徒然>
ワールドカップに想う(2002/06/04) <徒然>
期待と評価をオープンに(2002/05/25) <徒然>
経営トップとスタッフ(2002/05/18) <徒然>
挨拶と企業姿勢(2002/05/06) <徒然>
Copyright © 2025 Personal Vision Institute co.,ltd. All Rights Reserved.