田畑 浩
代表取締役
田畑 浩
 (Hiroshi Tabata)

■研修実施の前に (2009/11/20)

先日、ある新聞で、企業における“インサイド(社内)コミュニケーション”
の重要性が書かれた記事を読みました。

その記事によると、経営者や上司の間違えた頑張り方の例として
 (1)社員より先に現場で頑張りすぎる
 (2)社員の為とやたら自分の成功体験を話す
 (3)社員に気を遣い怠慢を叱らず眺めながら鼓舞する
 (4)統率をとろうと管理しすぎる
等々。

それでは社員は活性化しない・・・
難しい世の中を生き抜く会社の幹部に必要なのは、
“インサイドコミュニケーションスキル”

具体的には、
部下と接点を持つ前に一人ひとりを入社のいきさつからはじまり、
日常行動やエピソードも含め、どんな人材かを予め収集。
部下の状況を「想像」しながらゴールを目指すための
コミュニケーションの図り方を準備していく・・・。

この表現だと上司が部下に対して少し気を遣いすぎているような感じが
しないでもないですが、相手をよく知ることで次の打ち手が明確になるのは、
どんなビジネスの世界でも同じはずです。

私も研修準備の際は必ず受講者のイメージを描きます。

まず、人事のご担当者との打合せで
会社の状況、研修実施の背景・目的・目指すゴール、
人事制度の概略、対象者とその特徴、対象者に求める役割、
他に実施(受講)している研修内容等々をお聞きしながら、
研修のストーリーとカリキュラムを組み立てていきます。

そして外部講師ではありますが・・・受講者をよりよく知るという意味での
“インサイドコミュニケーション”。

研修を主催するのは経営であり人事部門ですが、受けるのはその対象者。
対象者がどのような方々なのかを少しでも理解することで、
研修の進め方やエピソードの内容、使用資料の順番や各演習トーンの強弱など、
研修の効果を最大限にする為の作戦を練ることが可能にしていきます。

例えば、対象者に対して次のような項目でアンケートを実施します。
 (1)現在の担当業務と過去の経歴
 (2)現在の担当業務(部門)の課題
 (3)今後の自身の展望
 (4)研修への期待・要望 

これだけの情報でも、内容はもちろんその書き方や文字量等で
現在の立場や状況、役割認識、モチベーション、研修に対する意識、
人事部門との関係等、受講対象者の方々のひととなりを十分想像していけます。

研修の成果を期待するのであれば、受講対象者を理解する事前コミュニケーション
は重要な要素の一つだといえるでしょう。


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