田畑 浩
代表取締役
田畑 浩
 (Hiroshi Tabata)

■マネジメント力の筋トレ(43)上位者が心がけるべきこと (2016/11/04)

私が新入社員の頃の思い出です。

毎日、朝礼で「今日はこれとこれをやります」
終礼では「ここまではできましたが、全部はできませんでした」と発表し、
そして毎日のように上司に、
「何でできなかったんや!!」と怒られていました。

理由を話すとなると、一日の行動を話さなければならなくなり、
長くなるので、「・・・スミマセン」

すると、さらに怒られます。
「何でや!」「理由も言えないんか!」

1か月やらないことを怒られ続けたのち、
「だったらやってやろう」と、
今度は自分で直接取引先の部長にアポイントを取り、
出張にいってきます!と言うと、
「何で事前に俺に相談、報告しないんや!」とさらに怒られました。

・・・ということで、ほぼ毎日怒られてました。
そして毎晩へこみ、会社を辞めることを考えていました。

かれこれ、30数年前の話です。
現在でも、新入社員と上司・先輩にありがちな典型的な意識のギャップですよね。
今でも当時の自分の未熟さを思い出して、恥ずかしくなることもあります。

今ではその上司も起業され、お互いに良い話し相手になっていますが、
当時は、朝、その上司の顔を見れば委縮してしまう、そんな関係でした。

さて。
当時の上司の怒り方は「何でできなかった?!」
いつも原因を追求されていました。出来ない理由を求められた訳です。

私も決してさぼっていた訳ではなく、
ほとんどが、自分で解決できない課題に翻弄され
「部長からの急な依頼で・・・」「総務から急な連絡があって」
「○○部から質問があって、調べているうちに・・・」

「だったら速やかに報連相せよ!!」

・・・「いつも席にいないじゃん」
・・・「ついて来いって言われたから一緒に行ったけど、それに時間をとられたからやんか」
と心の中では思いつつも「スミマセン・・・」

「いつもお前はスミマセンしか言わん!!」


さてこの対応、アンガ―マネジメント的に考えると。

上司が私に、できなかった理由を怒るのではなく、
「やるにはどうすればいいと思っているのか?」
と目標・将来に向けた質問をしていれば、
私も「スミマセン」だけではなく
「午前中はこういう問い合わせが多いのでその対応を教えてほしい」
「離席がちの上司がいないときには誰に相談したらよいかを教えてほしい」
と、もう少しは前向きな対応になっていたような気がします。

怒る際は「原因・理由」より、「目標・ゴール」
「過去」より「将来・未来」のあるべき姿に焦点を当てた怒り方が、
部下の考える力を育てることにもつながります。

もちろん生産現場のように再発防止のために
原因をつぶさないといけないこともありますので
その場合は、「どうすればいい」の中に、
原因追及の視点を入れていくことが必要だと思います。

「何でや!」から「だったらどうすればいいんや?」

お試しください。

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