高萩 幸男
高萩 幸男
 (Yukio Takahagi)

■コラムテーマ別
 + 面接官のトーク術(79)
■イメージすることの大切さ (2010/06/04)

最近巷の話題といえば「ipad」。
イマイチ使い方の分からない人にさえ
魅力的に映るんですからスゴイ商品ですね。

アナログ人間の私には
「ipad」を使いこなすなど夢のまた夢。
パソコン操作すらいい加減なもんです。

情報機器やネットワークを駆使して
幅広く情報を収集・活用、それを分析し、判断する能力。

これを「情報リテラシー」と定義するならば
この前半部分
“情報機器やネットワークを駆使”
“幅広く情報を収集”
というスキルだけに偏った評価が多いのでは?

具体的にいうと面接なら
単に「パソコン操作」に長けた人を
情報リテラシーが高いと誤解しているのでは?
何やら難しげな「システム」を動かして
単にデータを「アウトプット」しているだけの人を
仮説力、分析力が高いと採用しているのでは?

「またあなたから買いたい!(齋藤泉著)」という本を読みながら
ふとそんな思いが頭をよぎりました。

著者は山形新幹線「つばさ」の新幹線アテンダント。
我々が出張や旅行でよく見かけるワゴン販売に携わる人。

この本にこういう一節があります。
「天気や気温など、TVやインターネットでいくらでも
情報を得ることはできますが、そのときに感じる自分自身の
肌感覚が実はとても重要です。」

真冬の寒い朝
今日は温かいコーヒーが売れるだろうと準備して乗り込んだら
お客様はすでに缶コーヒーを持っている。
あまりにも寒いと列車を待つ間に缶コーヒーを
カイロ代わりにしていることがある。
こんなエピソードがこの後いくつも続きます。

データや情報は一面的な「事実」を伝えているに過ぎない。
その事実を基に
今その場所で何が起こっているのか、今後何が起こりそうかを
多面的に「イメージ(仮説設定)」することの大切さ
またそれを机上で済ませるのではなく
現場に足を運び、自らの「五感」を駆使してイメージすることの意義深さ。
真の「情報リテラシー」とは何かを教えられた思いがしました。

両手で持ち切れないほどの資料がないと
不安で会議に出られない人。
システムのアラート(警告)にただ従うだけで
自らの意思で判断していない人。
皆さんの会社で
こういう人が増えているとしたら「赤信号」。
今すぐ
採用基準、昇格基準を見直しませんか?

(次回に続く)


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