高萩 幸男
高萩 幸男
 (Yukio Takahagi)

■コラムテーマ別
 + 面接官のトーク術(79)
■WHY・WHAT・HOW (2009/05/11)

前回 ⇒ http://www.pvi.jp/column/takahagi/no86
に引き続き
「プロフェッショナル・仕事の流儀」の茂木健一郎さんの
トーク術に触れたいと思います。


あの番組の前半、ナレーションと映像で
主役を紹介する場面。
もし面接であれだけの情報が引き出せたら
面接官としては「80点以上」もらえるのでは
ないでしょうか。



面接の基本となる「5W1H」が漏れなく拾えている。

・WHEN(いつ:この仕事に目覚めたきっかけは?)
・WHERE(どこで:その目覚めた場面は?)
・WHO(誰と:過去、誰の影響を受けた?今、誰を巻き込んで?)
・WHY(なぜ:なぜこの仕事を頑張り続けられる?)
・WHAT(なに:何に最も力を注ぐ、神経を遣う?)
・HOW(どのように:あなたの仕事の流儀とは?)

さらに茂木さんがこれをインタビューで深堀する。


あの番組を見ていて感じる
茂木さんのインタビューの特徴。
それは「5W1H」のうち
「WHY」「WHAT」「HOW」を中心に質問を組み立てること。

この3つを粘っこく聞き出すことで
主役の姿がいっそう浮き彫りになる。

こんな面接官なら「はなまる満点」間違いないでしょう。


逆にいうと、拙い面接とは
「WHY」「WHAT」「HOW」よりも
「WHEN」「WHERE」に力点があり
しかもその質問の切り口が浅い面接だといえます。

「いつ頃?いつまで?何歳からどのくらいの期間?:WHEN」
「会社名は?勤務地は?何という部署のどんな役職?:WHERE」

こんな質問ばかりに答えさせられる応募者は
心の中でこうつぶやく
「全部、履歴書に書いているのに…」。


と、ここまで読んで
「自分は違う、ちゃんと質問している!」
と多くの方が思うのでは。


確かに、よほどの面接官でない限り
「WHY・WHAT・HOW」の視点は押さえられている。

でも問題はその深さ。

果たして、茂木さんのように「粘っこく」
応募者の本質に迫る質問ができているかどうか。

トヨタでは「5回のなぜ(WHY)」を繰り返して
問題の真因を考えるといいます。

応募者の一つの回答に
皆さんは、「なぜ(WHY)」の質問を何回重ねられますか?

面接官は応募者の本質を見抜く
「質問力」をもっと磨く必要があります。
(次回に続く)

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