高萩 幸男
高萩 幸男
 (Yukio Takahagi)

■コラムテーマ別
 + 面接官のトーク術(79)
■ベテランあるある (2013/06/07)

新卒採用がひと段落ついたこの時期。
今回のテーマは「新卒あるある」で参ります。

慶應義塾大学の牧兼充先生が作った
「だから学生は嫌われる20の理由」。

これはもともと
学生が企業人とコラボレーションする際
トラブルを起こさないようにとまとめたものだそうです

1.約束時間に遅れる
2.必要な時にメールが帰ってこない(24時間以内に戻ってこない)
3.必要な時に携帯につながらない
4.携帯に伝言を残してもリプライがない
5.大して忙しくないのに、すぐ忙しいからと仕事を断る
6.すみません、メールを読んでいませんでした、とすぐ言い訳する
7.評論家的な意見を言うばかりで、自分が当事者として意見をいえない
8.理想論ばかりで地に足がついていない
9.仕事を抱え込みすぎて、すぐにオーバーフローする
10.オーバーフローしてもケアせず、他人任せ
11.仕事のクオリティの落差が激しい
12.仕事のクオリティが低くても平気
13.途中でちょっとつらいことがあるとすぐ仕事を投げ出す
14.ちょっと難しい仕事だと、「すぐできません」という
15.生意気なことを言うくせに、すぐに仕事を放り出す
16.ちょっと厳しいことを言うとすぐにやる気をなくす
17.経験者とのコミュニケーション方法を知らず無礼
18.生意気なことを言わず自分は経験ないからとすぐ引っ込み思案になる
19.アイデアへの自信過剰
20.失敗の理由を分析せず自分ではなく外部の責任にする

いかがですか?まさに「新卒あるある」では?

内容もさることながら、私が面白いと感じるのは
これが作られたのが2003年だというところ。

つまり、この10年
学生に対する印象が全く変わっていないことになります。
そして当時、学生だった人たちが
もはや中堅として企業の核になっていることに気づきます。
だとしたら
これは「学生〜中堅あるある」では?

さらに言うなら
こうした学生が出始めたのは
私が「新人類」と呼ばれていた80年頃。
だとしたら
もはやこれは「学生〜中堅〜ベテランあるある」では?

冒頭の牧先生の言葉に戻れば
この20項はトラブルを起こさないための最低「必要条件」。
決して、仕事ができる「十分条件」ではない。

それすらクリアできていない人が
ベテラン層にも広がりつつあるという疑問。
否定できないのは私だけでしょうか。

今後さらにこの状況が進行するなら、面接の在り方も変えないといけませんね。

これまでの面接では
「仕事ができるかどうか」の十分条件だけに焦点を当てればよかったが
これからは
たとえベテランでも、最低必要条件を点検するところから始める。
とても残念なことですが…。

そういえば、私の大学時代の友人(49歳)。
彼のフェイスブックを見ていると
「良いアイデアを思い付いた!」→周囲からの「イイネ!」
「壁にぶち当たった…」→周囲からの「ガンバレ!」
しばらくの沈黙の後、また「良いアイデアを思い付いた!」。
この1年以上ずっとこの繰り返し。

「8.理想論ばかりで地に足がついていない」
「19.アイデアへの自信過剰」

身近に見つけました「ベテランあるある」(苦笑)
(次回に続く)


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