高萩 幸男
(Yukio Takahagi)
■コラムテーマ別
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面接官のトーク術(79)
■相手の時間を大切にする (2014/11/14)
「面接官のトーク術」も今回で区切りの50回。
今後は、プロ面接官(人事)の皆さんはもちろん
「アルバイトの面接をしないといけない店長さん」
「リクルーターとして学生と会う営業マン」
そんな方々にも
気軽に読んでいただけるような内容にしていきたいと思います。
どうぞ宜しくお願いいたします。
さて
先ほど「店長さん」を引き合いに出したからではありませんが
「サービス力を高めたいけど、どうしたら?」
「おもてなしマインドのある人を採用したいけど、どこを見たら?」
最近そんな声をよく聞きます。
確かに「おもてなし」が、例の彼女のスピーチで
ブームにはなったものの、言葉だけが独り歩きして未だ実体がつかめない。
私も色々な本を読んでみましたが、人によって解釈は違うし
哲学的な解説にめまいが起こる。
でもこれ、「おもてなし」する側ではなく、される側
つまり「お客様目線」で考え、整理すると
案外、分かりやすくなるかもしれません。
実際、最近お付き合いした小売業の会社様
そこに寄せられるたくさんの「お客様の声」を一件いっけん
丁寧に読んでいると
「おもてなし」の実体が少しだけ見えた気がしました。
今回は、その一部をご紹介したいと思います。
お客様が感じる「おもてなし」、その代表選手は「時間」です。
私ごとですが
つい最近、30年近く通っていた美容室を変えました。
そこは予約不可で、待ち時間は出たとこ勝負。
その日は土曜日の午後イチで悪い予感がしたのですが
案の定「1時間待ちです」との返事。
仕方なく、外で時間を潰して戻ったのですが
一向に呼ばれる気配はなく
結局ハサミが入ったのは2時間後でした。
ま、その日、特別な用事があるわけでもなく
2時間待ったこと自体に腹を立てたわけではないのですが
せめて、戻ってきた時に「もう少し時間が伸びそうです」という気遣い
最悪、始める前に「今日はゴメンナサイ」の一言が欲しかった。
「誰にとっても時間は大切」。
頭では分かっているけれど、それを行動で表してくれる人は
なかなか居ないように思います。
「相手の時間を大切にすることは、相手そのものを大切に思うこと」。
こういう意識で接してくれる人は、さらに居ないと感じます。
「急いでいるときに、『手際よく』商品を包装してくれてありがとう!」
「『スムーズに』返品を受けてくれて嬉しかった!」
先ほどの会社様には、こうしたお客様の声がたくさん届いていました。
新人研修などでは、時間を守る、大切にすることは
集団行動するうえでの基本、「ルール・マナー」だとよく教えます。
これに加えて
「相手の時間を大切にすることは、おもてなしの第一歩」と
教えてあげてはどうでしょう?
時間通りに面接にきた応募者を
「そんなの当然!」とスルーするのではなく
「どうしてだろう?」と、時間感覚について少し質問してはいかがでしょう?
おっと、その前に
「今ちょっと手が離せないので…」と応募者を待たせたことがないか
胸に手を当てて考えてみましょう!
(次回に続く)
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