高萩 幸男
高萩 幸男
 (Yukio Takahagi)

■コラムテーマ別
 + 面接官のトーク術(79)
■角がとれる前 (2020/03/13)

最近、定期的に呼んでいただいている
大学の面接指導。

顔なじみの学生も増え。
回を重ねるごとに、彼らの成長が実感できます。

端的に言うと
「喋りが上手くなっている」。

最初の頃は、自己PRどころか
そもそも、自分の強みが分かっていなかった人たちが
今や、起承転結のストーリーに沿って
自分の特長を話せるようになっている。

それはひとえに
キャリアセンターの先生方のおかげ。
一人ひとりの学生と向き合い
丁寧に指導した結果の賜物。

その熱意と努力に、頭が下がる思いです。

一方、喋りが上手なった引き換えに
「個性が失われた」と感じる学生もちらほら。

先生方の指導が効きすぎて
「よくも悪くも、角の取れた内容になってしまった」

例えば、失敗談のエピソードの場合
「何度やっても〇〇できなかった!悔しかった!」と
以前は話していたのが
「〇〇できなかった」と感情表現がばっさりカット。

「以前の荒削りの話し方の方がよかった…」

キレイなストーリー、上手な話し方を最上とし
学生とキャリアセンターの先生が
真面目に取り組めば取り組むほど印象に残らない
どんどん自己PRから離れていく。
何とも皮肉な結果です。

以前、ある先生が
「どうしてこの(優秀な)学生が面接に落ちるのか
不思議に思う」とおっしゃったのですが
それって、ここに原因があるのかもしれません。

常々、学生たちには
「手元にあるエントリーシートを覚えて、読むのではなく
頭の中にある映像を思い出すようにして、伝える」よう
アドバイスしています。

角の取れたエピソード、それを何人も何人も聞かされる
面接官のストレスも理解できますが
「角が取れる前」はどうだったのか?
学生の頭の中にある映像を
ぜひ共有・共感してください!

学生が語るエピソードが平板で
「つまらないなぁ」と感じたら
ぜひ質問してください!

「それは二度と味わいたくないくらい辛かった?」
「それは飛び上がるくらい嬉しかった?」

誰しも、過去の経験をその時の感情とともに伝えるとき
最も「自分らしさ」が伝わる。

新型コロナウイルスの影響で
今年はウェブ面接が一気に主流になりそうです。
でも、モニターの映像だけで評価するのは難しい。

角の取れる前の映像を掘り起こせるかどうか。
これが面接官にとっての「コロナ対策」です。


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